石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

学校にLGBTI嫌悪のポスター スペイン・ムルシア

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スペイン南東部の自治州ムルシアの学校に、何者かが反LGBTI・反フェミニズムのポスターを掲示しました。ムルシアでは今年、秋に州の総選挙で極右が勝利した後、公園にホモフォビックな罵倒と鉤十字が落書きされるなどの事件も起こっているとのこと。

詳細は以下。

www.dosmanzanas.com

まず、学校に貼られていたというポスターの写真はこちら。

画像左のポスターには、子供のいるクリスチャンの異性愛者カップルの家にレインボーカラーの炎を吐くドラゴンが襲いかかる様子が描かれています。ドラゴンの炎は家を取り囲むロザリオによって食い止められており、絵に添えられた標語は「確固たる信仰("firme fe")と「抵抗("resistencia")。

画像右のポスターは、リンゴを食べようとする白雪姫を悪い魔女が見ているところを描いたもの。リンゴはレインボーカラーに塗られており、キャッチコピーは「気をつけろ!("¡cuidado!")と「毒("veneno")」。

このほか、フェミニズムを「ひっくり返す」よう呼びかけるポスターなども貼られていたということで、要はこれって世界中でうんざりするほど見かける、「『自分たちこそが攻撃を受けている』という認識のもと、従来通りの権力関係を温存しようと躍起になるマジョリティの図」だと思います。クリスチャンのヘテロ男性が頂点に立つヒエラルキーのピラミッドを維持することこそが「正義」で、それを揺るがす奴らは「悪」だってことになってるんでしょうね。あたしとしては、宗教によってレインボー的なものから遮断されている(ことになっている)家で育たざるを得ないLGBTIキッズが心配でしょうがないんですけどね。子供の不安とうつと自殺のリスクを上げるだけでしょ、こんなポスター。

そうそう、同じムルシアの公園に先日の選挙後に出現した落書きというのはこちらです。

訳すと「オカマ野郎の首長は死ね」「ばか野郎のオカマども出ていけ」「キモい」とか、だいぶひどいことが書かれています。こんなもんが横行していてもなお、誰が誰に攻撃されているのかわからない(または、わかろうとしない)人がいるっていうのは悲しいねえ。