石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

マリオットで差別されたゲイカップルにヒルトンから無料結婚式のオファー

Gay wedding cake topper with dog mr and mr cake topper [並行輸入品]

マリオット系列のホテルに結婚式を申し込んで差別されたゲイのYouTuberに、ヒルトンが無料で結婚式を提供すると申し出たそうです。やるなあヒルトン。

詳細は以下。

www.pinknews.co.uk

このYouTuber、Josh Rimerさんは当初、メキシコにあるマリオット系列のシェラトン・ブーゲンビリア・リゾート&コンベンションセンター(Sheraton Buganvilias Resort and Convention Center)に結婚式を申し込んでいたとのこと。ところが彼が式についての打ち合わせで「ブライダルブーケはいらない」と伝えた後、同ホテルのスタッフから、うちは同性婚に「特化していない」から他の結婚式場に行くようにと書かれたメールが送られてきたのだそうです。

以下、Rimerさんによる説明とリアクションです。

一部訳:

「特化」ってどういう意味なんですか。なんで同性婚だと「特化」しなきゃいけないんですか。ぼくらの式の招待客の95パーセントはストレートですよ。基本的にゲイはぼくらだけで、あとはひとりかふたりいるかもしれないってぐらい。だから、新郎新婦じゃなくて新郎新郎になるってこと以外、そうも特別なことはないんです。

What do you mean "specialize"? Why does anybody have to specialize in a same-sex wedding? 95% of our guests are going to be straight. We're basically the only gay ones and maybe one or two other people, so there's not much to specialize other than it's gonna be a groom and a groom instead of a bride and a groom.

そうだよね。「特化」云々って完全に色眼鏡、もしくは断るための口実だよね。

Rimerさんによると、上記動画をアップロードした翌朝、つまり2019年12月11日、ヒルトンからシェラトン・ブーゲンビリア・リゾート~の近くにあるヒルトン・プエルト・バジャルタ・リゾート(Hilton Puerto Vallarta Resort)で無料の結婚式を提供するという申し出があったとのこと。さらに、旅行会社のVACAYAからもポルトガルでのハネムーン・クルーズを無料でオファーされ、Rimerさんは両方受けることにしたんだそうです。

こういう展開、ウエディングケーキ関連でさんざん見たけど、ホテル業界でも変わらないのねー。

なおマリオットは今回の件に関して既にRimerさんに謝罪し、「マリオットはLGBTQのお客さまとそのご家族も含め、すべての方にとって居心地のよい環境をご提供することに長らく取り組んできております(“Marriott has long been committed to providing an environment where all are welcome including our LGBTQ guests and their loved ones.")」とかいうおきれいな声明も出しているそうです。でも、この声明文って山田ズーニーさんが『話すチカラをつくる本』の中で挙げていた「伝わらない謝罪文」例の、

このたびは、誠に申し訳ございませんでした。

日ごろミスが出ないよう万全をつくしてはいたのですが、これからは、こういうことがないよう精一杯がんばりますので、よろしくお願いします。

をこじゃれた言い回しにしただけだよね。これじゃ再発防止にも期待できないし、いろんな意味でやる気がねえなあマリオット、とあたしゃ思いましたよ。

話すチカラをつくる本 (知的生きかた文庫)

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  • 作者:山田 ズーニー
  • 出版社/メーカー: 三笠書房
  • 発売日: 2007/03/01
  • メディア: 文庫