米国アラバマ州のゲイ男性が、パートナーと住んでいる家の前を通りかかった高校球児らが“f**k the faggots”と叫んだとして監視カメラの動画を公開しました。マディソン市教育委員会の広報担当者は、教育長が同カップルに謝罪したと述べています。
詳細は以下。
まず上記リンク先に貼られている動画を見てほしいと思います。「偶然口走っただけだろう」とか「悪気はなかったんだろう」みたいな邪推を一撃で吹っ飛ばす、敵意剥き出しの口調ですよ、この高校生たち。しかも一言で終わってない。ゲラゲラ笑いながら複数人でひどいことをがなり立ててる。
被害に遭ったゲイ男性のコリン・トムブリン（Colin Tomblin）氏は、2020年1月11日、この動画をFacebookに投稿。これを受け、1月15日にマディソン市教育委員会（Madison City Schools）のスポークスマン、ジョン・ペック（John Peck）氏がAl.comに声明を発表しました。それによると同教育委員会は「生徒にも被雇用者にも、いかなる種類の不寛容も許して」いないんだそうです。でもこの声明、こう言いながらも今回の事件は「学校の敷地内でも、学校に認可された活動時間内でもなかった」とか、「学校組織の本質を反映したものではなかった」などとも言っていて、微妙に責任逃れ感も漂ってるんですけど。それでもともかく、ペック氏によれば教育長のロビー・パーカー（Robby Parker）氏はこのカップルに謝罪しており、トムブリン氏はこの対応に感謝しているとのこと。
この顛末に対する、Towleroadのコメント欄でのやりとり面白かったです。いくつか抜き出して簡単に訳すと、こんな感じ。
- なんで教育長が謝ってるんだ。子供の親が謝るべきでは？
- やらかしたのは野球部員なんだから、1年間部活禁止にすればいい
- 親たちが、謝る理由があると考えるとは思えない
- 子供は親、仲間、宗教団体、メディア、それから学校によってこういう悪意を教え込まれるんだ。ことわざで「子供を育てるには地域みんなの力が必要（"It takes a village"）」というのがあるけど、こんなことをやらかすようになるのも地域全体の影響だ
確かにこの高校生らの親たちも常日頃から“f**k the faggots”とか言い散らかしてる可能性はあるし、形だけ親に謝らせても解決にはならないと思います。あと、少年たちに早急に「反省」させようとして罰を与えた場合、ゲイに対する否定的感情はさらに高まるだろうなとも。根拠はこちらの本です。
- 作者:岡本 茂樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/05/17
- メディア: 単行本
ベストな落としどころは何なんでしょうね。
