石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

トランス女性、しつこく絡む男らを実力行使で撃退 米フロリダ州

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米国フロリダ州マイアミのカフェテリアで男ふたりがトランス女性に執拗につきまとい、ついに拳(と靴)でぶん殴られて撃退されました。事件の様子をおさめた動画が、ネットで話題を呼んでいます。

詳細は以下。

www.clarin.com

動画はこちら。

上記の動画には、カフェテリアでふたりのトランス女性がキューバ人の男ふたりからハラスメントを受け、ついに怒って彼らをぶん殴って店を出るまでが映し出されています。Clarínによれば、この動画は他の客が撮影し、ジャーナリストのユースナビ・ペレス(Yusnaby Pérez)氏が2020年1月22日にソーシャルメディアで公開したものだとのこと。再生回数は現時点で160万回を超えています。

Clarínの説明と動画内での会話を見る限り、男らはこのトランス女性たちにつきまとって「200ドル払うからやらせろ」、「ビッチな顔だ」、「おいキューバ女、どこ出身だ」など言っていたようです。女性らは辛抱強く、

  • キューバ人じゃない、ひとりはドミニカ人でもうひとりは米国生まれ
  • 寄ってくるな、ここはキューバじゃなくて米国だ、ハラスメントは違法なんだから通報するぞ
  • 200ドル云々は失礼、私が娼婦だと思ってるのか?

などと言い返しているのですが、男らはヘラヘラしながら「へえ警察か、呼べば?」だの「ああ(娼婦だと思ってるよ)、恥知らず野郎め」だのと嘲弄するばかり。あげくトランス女性に向かって、「おいオ〇マ野郎(mar**n)」と同性愛者への罵倒語を使って呼びかけたりさえしています。怒った女性から「mar**nはお前みたいな、ケツでやらせてくれる相手を探しているやつのことだ」と言い返されても、やっぱりヘラヘラ。

緑のシャツの男が彼女らに触ろうとし、あげく「ちょっと座っちゃおっかなー」などと言いながら無理やり隣の席に座った時点で、ついにトランス女性らの怒りが爆発します。金髪の女性が「隣に座るな、あんたたちとは話したくない、話しかけてもほしくない、また話しかけてきたら顔をぶん殴る」と叫び、それでもグダグダ喋っていた青いシャツの男に、赤毛の女性がパンチ。そこから乱闘になって、勝ったのはトランス女性チームでした。ボッコボッコにされて床から立ち上がれなくなった青シャツの男に赤毛の女性がこう叫ぶところが最高。

“¡A mi me respetas!”

日本語にすると「なめてんじゃねえぞ!」とでもいったところでしょうかね。この動画、このような重要なフレーズが学べる上に、"Como me vuelvas a hablar..."(もしまた私に話しかけてきたら……)というくだりでは副詞節で警告・事態の悪化の予告に使われる"como"の実用例を見ることもでき、大変勉強になりますね。……という冗談はさておき、この動画を見ている間中ずっと思い出していたのは、ジェン・リチャーズ(Jen Richards)が2016年に発表したこちらの動画で言っていたことでした。

「シスヘテロ男性の中にはトランス女性がトランス女性だからこそ魅力を感じる人たちがいる。そういう人たちが、周囲から『‟男”が好きだなんて男らしくない』と思われることを恐れ、自分の男らしさを証明しようとしてトランス女性に暴力をふるう」ってなことをジェン・リチャーズは言っています。今回マイアミで起こった執拗なハラスメントも、これと同じ路線上にあるんじゃないかと思います。どう見ても性的に興奮してるしね、緑シャツ男も青シャツ男も。とりあえず今回の事件で誰も死ななかったのは何よりだけど、「女体好きの女嫌い」ならぬ「トランスボディ好きのトランス嫌い」は全員地獄で腐ればいいと思うわ。