石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

警察署長、保安官代理の新型コロナ感染死を「同性愛のライフスタイル」のせいにし休職に 米フロリダ州

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米国フロリダ州の警察署長が、ゲイの保安官代理が新型コロナに感染して亡くなったのは「同性愛のライフスタイル」のせいだとする発言をし、調査の間休職とされたそうです。

www.gaytimes.co.uk

警察労働組合が同州ブロワード郡デビーの行政機関に送付した手紙によると、デビーの保安官事務所のデイル・エングル(Dale Engle)署長は、同事務所で勤務していたシャノン・ベネット(Shannon Bennett)保安官代理が新型コロナウイルスのために亡くなった4日後の2020年4月7日、ブリーフィングでホモフォビックな発言をしたとのこと。同署長は、ベネット保安官代理が亡くなったのは「同性愛の性的イベントに参加した同性愛者だったから」だと怒鳴り、ベネット氏はまず「同性愛のライフスタイル」が原因で、Covid-19を悪化させて死に至らしめるような重い基礎疾患にかかっていたのだとほのめかしたのだそうです。

ちなみにベネット保安官代理は12年のキャリアを持つベテランで、今年の12月に結婚する予定だったとのこと。婚約者のジョナサン・フレイ(onathan Frey)氏は、署長が言ったとされる内容はまったくの偽りで、ホモフォビックで、名誉棄損であると話しています。そして警察友愛会 (Fraternal Order of Police)のマイケル・タッカー(Michael Tucker)会長は、エングル署長のブリーフィングで複数の警官がショックを受けたと表明していると語っています。自分たちが新型コロナに感染したときの医療保障について不安になっているときに、署長が感染リスクを過小評価するばかりか、保安官代理の死をまず性的指向と結びつけようとしたことが大きなショックだったのだと。

なおデビーの行政機関は、「申し立ての詳細を調査中」で、同署長は4月11日から休職としたという声明を出しているんだそうです。

……何か大きな事件や災害が起こったときに、とにかく「同性愛のせい」にしたがる人たちというのは常にいます。大抵は宗教がらみの文脈で、これまでありとあらゆるハリケーンやら地震やら津波やら山火事やらテロ事件やらが、「同性愛者(のライフスタイル/の結婚/の従軍)に対する神の怒り」のせいにされてきました。2020年のコロナ禍についても、もちろん「同性婚のせい」と主張している牧師はいます。だけど、全然神様関係じゃないところでまで、こうして「ゲイだから」新型コロナで死んだのだと決めつけられているとは。

おそらくこれって、「自分たちヘテロは大丈夫」と思い込みたいがゆえのスティグマのなすりつけなのでしょうが、それって80年代からこっち、HIV/AIDSに関してゲイコミュニティがやられてきたこととまったく一緒だからね。この「HIV/AIDSで死ぬのはゲイだからだ」というヘテロ好みのデマのせいで、「自分は同性愛者じゃないから」と検査を受けずにいてHIV感染がAIDS発症まで見落とされてしまった人が数多くいる(ちなみにAIDS発症者の数では、感染経路は同性間と異性間でそれほど差はない)一方、2015年にもなってLGBT支援条例の制定について「同性愛者が集まり、HIV(エイズウイルス)感染の中心になったらどうするのか」などと見当はずれなことを言って反対する議員がいたりして、本当に迷惑なんだよこういうの。同性愛者はヘテロが叩いて偽りの安心を得るためのサンドバッグじゃないぞ。たとえ発話者に差別の意図がないつもりでも差別を引き起こす効果は確実にあるんだから、今すぐやめろよこういうの。