石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

パンツ姿のゲイ女子生徒を卒業式から排除 米サウスカロライナ州

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米国のハイスクールが、ドレスではなくパンツで卒業式に出席しようとした女性同性愛者の卒業生を、服装規定違反という理由で式から排除してしまったそうです。このパンデミック下でやっと実現した卒業式だったのに!

詳細は以下。

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米国ではこの2020年、新型コロナウイルスの影響で多くのハイスクールで卒業式が中止されています。そんな中、サウスカロライナ州ダーリントン郡のラマー高校(Lamar High School)は、6月2日になんとか式を実施することに成功。しかしながら同校は、パンツ姿で卒業式に出ようとしたDynasia Clarkさんという同性愛者の生徒を、「ドレスコード違反」という理由で参加させなかったのだそうです。

Clarkさんはやむなく門の外から式を見て、自分の名前が読み上げられるのを待っていたんだそうですが、なんとこの学校、卒業生の名前の読み上げからも彼女の名を外してしまったとのこと。これがもっとも腹が立ったとClarkさんは話しています。

なお、ダーリントン郡学校区(日本の教育委員会のようなもの)は取材に対し、同校の校則は20年以上前から採用されているもので、学校当局は学生または保護者との話し合いを歓迎すると説明しているそうです。

日本でもそうなんだろうけど、米国でもハイスクールの卒業式はとても大切なものだとみなされています。その式が今年は開催できないからと、卒業生の家を回ってひとりひとり個別にお祝いしてあげた校長先生さえいましたよね。ノースカロライナ州の、ウエスト・クレイヴン高校(West Craven High School )のこちらの先生ですけど。

また、式ができなかった卒業生たちのために各界の有名人が祝辞やパフォーマンスを披露したこちらの動画も、大いに話題になりました。

それだけ大事なものだと思われている卒業式をバーチャルではなしに開催できた学校が、まさか「ドレスを着てこなかった」というだけの理由で卒業生を追い出していたとは。その上名前すら読み上げずに存在そのものをなかったことにするというのはただの「見せしめ」であって、教育機関のすることではないと思います。だいたい20年以上前のジェンダー感覚で作られた規則が見直しもされずに漫然と使われているということもおかしいし、これじゃ学校と学校区が「古い習慣を改めるための認知的負荷を負担したくないので、見せしめをいじめて現状維持をはかりまーす」と天下に向かって公表してるようなもんでしょ。こんなことで卒業にケチがついた生徒さんが、本当に気の毒。