ネット配信大手Netflixと、メディアモニタリング団体GLAADチリが、LGBTQコミュニティへの理解を促進しているシリーズとキャラクタについて調査。チリの大人のネットユーザ950人以上の回答から導き出された結果とは――。
詳細は以下。
この調査は2020年5月に実施されたもの。結果として、LGBTQの回答者が最も自分たちを体現していると答えたシリーズとキャラクタは、LGBTQではない人たちの間で高い共感を呼んでいるシリーズ・キャラと一致しているということがわかったのだそうです。中でも特に一致度が高かったのは以下の通りだとのこと。
- 『ユニークライフ』のケイシー
- 『セックス・エデュケーション』のエリック・エフィングとオーラ・ナイマン
- 『Sense8』のリト・ロドリゲス
- 『エリート』のオマール
- 『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』のパイパー・チャップマン
- 『ストレンジャー・シングス』のロビン・バックリー
- 『サブリナ・ダーク・アドベンチャー』のセオ(スージー)・パトナム
確かにLGBTQコミュニティで人気の高いシリーズ&キャラばかりですね。そうかー、非LGBTQにも人気だったのかー。OITNBでアレックスでもニッキーでもなくパイパーが選ばれているところを見ると、等身大っぽさが共感の鍵なのかな?
ちなみにこの調査では、非LGBTQの回答者の69%が、画面上でLGBTQキャラを見ることでLGBTQの知り合いやLGBTQコミュニティ全般についてより快適に感じるようになったと報告しているとのこと。また、LGBTQの回答者のうち70%が、エンターテインメントが家族のLGBTQコミュニティに対する理解を深めるのに役立ったと答えたのだそうです。ほら、これだから表象は大事なんだよ。
なお、LGBTQの回答者の過半数が「2年前より今の方がコミュニティの正確な姿が反映された作品が増えている」と答えた一方で、
- 子供がいるLGBTQキャラやLGBTQファミリーをもっと出してほしい
- 家族間・友人間・LGBTQコミュニティ内の対人関係をもっと深く掘り下げてほしい
……という意見も出ていたんだそうです。確かにこれは今後の課題だと思いました。LGBTQキャラの描写ってまだまだ色恋絡みのあれこれに偏りがちで、その背後にはたぶん、「恋愛と/または性愛の描写で有徴化されていなければ自動的にシスヘテロキャラだと受け取ってしまう」という、受け手側の問題が隠れていると思います。このへんも含めて、今後さらに改善されていくといいなあ。