ショート動画アプリTikTokが、2020年6月26日、Zoomを使った「#MyPride」というプライド・イベントを開催。しかしながら開始5分で荒らしによる人種差別的・クィア差別的な嫌がらせが殺到し、中止となってしまったそうです。
詳細は以下。
上記リンク先によるとこの日、TikTokはクィアなクリエイターらを集めて公開討論などのコラボイベントを開く予定だったとのこと。しかし、始まるや否や、テキストチャットも音声チャットも黒人やクィアの人々を攻撃するメッセージで埋め尽くされてしまったのだそうです。
荒らしたちは「ゲイはダメ(GaynotOK)」などというアカウント名のもと、Nワードや同性愛者に対する侮辱語を書き込んだり、ヒトラーを肯定したりしたとのこと。やりとりの一部だとされるものが、以下で一部紹介されています。
@tiktok_us i’ve been in the virtual pride zoom call for 5 minutes. the chat was filled with people using countless slurs against black people and the lgbtq+ community. did you not bother to only send your link to actual lgbt creators?? pic.twitter.com/JUiPAPIw2E
— kai.kai slider ⚔︎ (@broadway_kai) June 25, 2020
他に彼らが取りあげていた話題は「ストレート・プライド」(LGBTQプライドが気に入らないレイシストの白人男性らが『プライド』の名のもとにやりたがっている、差別的イベントのこと)、ドナルド・トランプ、Chick-fil-A (反同性愛団体に巨額の寄付をしていたことで有名なファーストフードチェーン)などだったそうです。動画の通信もハックされ、人種差別的な侮辱を含む「信じられないほど大音量の」音声クリップを流されたりしていたとのこと。
そんなわけで、あっという間にイベントは終了に。TikTokはクィアなクリエイターらに謝罪の手紙を送り、このイベントのために用意されていたコンテンツを共有するため「他の方法を探している」と説明したとのこと。Twitterアカウント@tiktokcreatorsからは、こんなメッセージも発表されています。
We encourage each of you to continue celebrating #MyPride in your own way. We are inspired by our LGBTQ+ community and excited to celebrate you, today and every day.
— tiktokcreators (@tiktokcreators) June 25, 2020
それにしてもTikTok、天安門広場の話には制限をかけたりアカウント停止したりしているわりに、プライド・イベントへの荒らしにはわずか5分でギブアップというのは、社としての熱意のありどころがわかりやすすぎるのでは。なおBusiness Insiderの指摘にもありますが、TikTokは以前LGBTユーザの動画に制限をかけていたことがあり、そこが旗を振ってプライド・イベントを始めたらこの始末というのは悪い意味で予想を裏切らない展開だと思います。参加したクリエイターや嫌なものを見てしまったユーザたちが気の毒。