石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

ファストフード店、客からホモフォビックな暴力を受けた店員を解雇 米フロリダ州

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米国フロリダ州のファストフード店が、グループ客から「ゲイだ」と言われて暴力をふるわれた店員を解雇してしまいました。もっとも、このことが報道された後になって、「再雇用の申し入れをした」と発表してはいますけどね。

詳細は以下。

www.lgbtqnation.com

この事件は2020年6月28日、米国フロリダ州マイアミビーチにあるBurgerFiという店で起こりました。被害を受けた24歳男性、ジェイクワン・ウォーカー(Jaquan Walker)さんは、加害者らからオーダーを取る際に「もっと低い声で喋れよ」「オ〇マ野郎("fa***t")」「殺すぞ」「お前はゲイだ」などと言われ、そのあと暴力をふるわれたと説明しています。

Walkerさんの談話と、事件の様子が映っている動画はこちら。

一連の暴力によりウォーカーさんは首などを負傷し、当日マイアミビーチ警察に被害届を出したとのこと。警察はこれを反同性愛的な暴行ととらえ、事件に関係があるとみられるふたりの男を探しているところだそうです。

……それはいいんだけど、解せないのがこのファストフード店のしたこと。なんと、事件があった6月28日のうちにウォーカーさんを解雇しちゃったんだそうです。ウォーカーさんの弁では、「自分はもめごとはおこさないタイプ。まじめに働いていたし、遅刻もしたことがない(I don’t mess with nobody. I was a good worker. I was always there on time. )」のに、客にオ〇マだの殺すだのと罵られてボコられて警察に届けに行って帰ってきたら席がなかったんだそうで――こんな理不尽な話ってある?

そしてさらにわけがわからないのが、BurgerFiは7月4日に下記のような声明を出して、ウォーカーさんに再雇用の機会を提供しているとアピールしているということ。

www.burgerfi.com

英語が読める方はぜひ上記のリンク先をごらんになってください。この会社、最初のパラグラフで「あらゆる差別的なことばやふるまいに対してゼロトレランスの方針を持っております」というド定番の言い回しを採用しつつも、その先で、解雇したのは監視カメラの映像で「ウォーカー氏がカウンターの後ろから出て来てそのあと口論になったように見える」からだもん、口論に続いて起こった事件(暴力のことですよ念のため)については「非常に悲しく」思ってるけど解雇はそことは関係ない理由でやったんだからうちは悪くないもんということが全力でほのめかされていて面白いですよ。最後の段落ではとってつけたように「ウォーカー氏にはBurgerFiとパートナー企業の感受性・多様性訓練を手伝う仕事をオファーした、本人が望むなら店舗勤務に戻ることもできると伝えた」と書かれてるんですが、それなら最初からクビにしなけりゃよかったのでは。

ざっと調べたかぎりでは、この事件が起こったのが6月28日、メディアで報道され出したのが7月2日ぐらい、上記の声明が出されたのが7月4日であるようです。わかりやすいね。報道がなかったらどうなっていたことやら。