石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

2009-01-01から1年間の記事一覧

『さくらりちぇっと(2)』(月見里中、芳文社)感想

元兵士(?)の「さくら」と大金持ちの「いちじく」との百合関係を軸にしたドタバタギャグ4コマ。まさかのガチエンドでしめくくられる、嬉しい最終巻でした。今回は男性目線でのあざといエロ演出もないし、クライマックス部分の怒濤の展開もナイス。

『紫色のクオリア』(うえお久光、アスキー・メディアワークス)感想

紫色のクオリア (電撃文庫)作者: うえお久光,綱島志朗出版社/メーカー: アスキーメディアワークス発売日: 2009/07/10メディア: 文庫購入: 101人 クリック: 2,229回この商品を含むブログ (308件) を見るするする読める本格SF百合「人間がロボットに見える」と…

『ミカるんX(4)』(高遠るい、秋田書店)感想

「ミカ」と「るんな」の少女ふたりが合体して戦う、痛快バイオレンス百合特撮漫画、第4巻。迫力ある構図とケレン味たっぷりの演出で、今回も楽しませてくれました。百合に関しても、コミカルな場面からぐっとくる場面までバラエティ豊かでよかった。

『蒼穹のカルマ(3)』(橘公司、富士見書房)感想

蒼穹のカルマ3 (富士見ファンタジア文庫)作者: 橘公司,森沢晴行出版社/メーカー: 富士見書房発売日: 2009/10/20メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 48回この商品を含むブログ (26件) を見る目配りの行き届いた学園ラブコメパロディシスコンならぬ姪コンのク…

『はやて×ブレード(11)』(林家志弦、集英社)感想

はやてと綾那の刃友コンビ解消の危機を前に、今回は剣待生総出のバトルロワイヤルが描かれます。相変わらず少年漫画チックな熱さとバカさにあふれた展開ですが、その一方で伏線を細かく張ったり回収したりしていく繊細さもあり、楽しく読みました。

『リビングデッド・ファスナー・ロック2 バニシング・ツイン』(瑞智士記、小学館)感想

リビングデッド・ファスナー・ロック2 (ガガガ文庫)作者: 瑞智士記,安倍吉俊出版社/メーカー: 小学館発売日: 2009/09/18メディア: 文庫 クリック: 7回この商品を含むブログ (6件) を見る百合話なんだけど、あっちこっちに既視感が……1巻とは趣向を変え、今度…

『さんぶんのいち。 (3) 』(松沢まり、芳文社)感想

中学生男女3人の三角関係(百合含む)を描くラブコメ、最終巻。百合あり異性愛ありの1巻、突然ヘテロ恋愛方面にばかり突っ走り出す2巻と来て、どうオチをつけるのかと思ったのですが、何の結論もなく玉虫色で終わってしまっています。

『天秤は花と遊ぶ(2)』(卯花つかさ、芳文社)感想

ぐわー。最悪。久々に悪いもん見た。1巻は非常に百合百合しかったこの作品ですが、2巻では「女同士では恋愛できない」というメタメッセージを熱心に打ち出したあげく、まさかのヘテロエンドに突入して行きます。そこまで見抜けなかった自分がうかつでした。

『いいなり!! 吸血姫(1〜2)』(草壁レイ、メディアファクトリー)感想

「至高の血」を持つ女子高生と、その血を狙う女吸血鬼が織りなすドタバタコメディ。吸血鬼もので百合っぽいお話というのはカーミラ以来腐るほどあるし、特殊な血をもつ主人公というのもよくある設定ですが、不思議と手ずれた感じがなく楽しく読めました。

『ヒャッコ(5)』(カトウハルアキ、ソフトバンククリエイティブ)感想

ドタバタ学園群像劇の第5巻。えらく路線が変わっちゃってませんか、これ。女のコたちのキャッキャウフフを描くのに飽きて、凶悪そうな野郎多めの学園バトルをやりたかったのかなーとも思うんですが、だとしてもなんだか新味と深みに欠ける感じ。

『乙女王子〜女子高漫研ホストクラブ〜』(888、芳文社)感想

廃部寸前の漫研が、資金集めのため校内で男装ホストクラブを始めるというドタバタギャグ漫画。女子高生が女子高生に熱を上げているかのような展開が一部にありますが、結局バーチャル異性愛にすぎないため、百合ものとしてはおすすめしません。

『失楽園(1)』(尚村透、スクウェア・エニックス)感想

男尊女卑が猛威をふるう私立学園で、主人公「ソラ」(♀)が女の子を守ろうと奮闘する物語。タイトルにも各種設定にも既視感があり、ストーリーは今のところ「きれいな男尊女卑」の称揚という、いかんせん誉めどころが見つけにくい作品でした。

『LOVE CUBIC』(谷村まりか、一迅社)感想

女子高生3人の三角関係物語。プラトニックなお話でありつつ全話に必ず尿シーンがある、というその特異性やよし。ただし、メインキャラ3人の性格づけが弱く、ヘアスタイル以外何が違うのかわかりにくいところは残念です。血縁幻想の扱いにもやや疑問が。

『かなめも(3)』(石見翔子、芳文社)感想

新聞販売店を舞台とする百合4コマの第3巻。キャラ立てがはっきりくっきりしていて、相変わらず隙のない面白さが楽しめる1冊でした。メインカップル(?)の甘酸っぱさも、エロエロはるかの意外な過去も、某バカップルの意味深な伏線も、みんなよかった。

『ささめきこと(5)』(いけだたかし、メディアファクトリー)感想

女子高生同士の百合ラブストーリー、第5巻。切ないとかもどかしいとかを通り越して、もはや胃がでんぐり返りしそうにじれったい巻でした。とりあえずここは四の五の言わずに純夏と汐の苦しさに寄り添っておくというのが、この巻の正しい楽しみ方なのかも。

小説『猟犬』(深見真、講談社)感想

猟犬作者: 深見真出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/09/16メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (7件) を見るレズビアン刑事が活躍する、骨太の警察小説レズビアン警部補「呉内冴絵(くれないさえ)」を主人公とする警察小説。いやあ面白…

映画『スパニッシュ・アパートメント』感想

キュートな青春映画(レズビアンキャラあり) 1年間バルセロナに留学したフランス人大学生グザヴィエ(♂)が、国籍も性別もごちゃまぜな6人の学生達との同居生活を通じてひとまわり成長していく物語。厳密に言うとレズビアン映画というわけではないのですが…

『温泉惑星』(高木信孝[画]/かくばやしつよし[原作]、芳文社)感想

とある恒星系にある小さな温泉惑星サンタモニカを舞台に繰り広げられるほんわかコメディ。温泉惑星を切り盛りする4姉弟と毎回のゲストとのすったもんだが、読み切り形式で綴られます。一部に百合なお話もあり、面白かったです。

『ケダモノの唄(上・下)』(楠桂、少年画報社)感想

「通り魔」による暴行事件と殺人事件をめぐり、少女たちが次第に壊れていくサイコサスペンス。微百合といえば微百合です。しかし、凄味を出そうとして空回りしてしまっている感が否めず、サイコものとしても百合ものとしても今ひとつかと。

『リトル・リトル』(ろくこ、芳文社)感想

最終話以外は台詞がひとつもないという思い切った手法で綴られるハートウォーミングな漫画。内容は病弱な少女がキツネ少女(キツネ耳としっぽあり)との交流を通して元気を取り戻していくといったもので、あたたかく優しい絵本のような雰囲気がよかったです。

『GIRL FRIENDS(3)』(森永みるく、双葉社)感想

女子高生同士のラブストーリー、第3巻。「拡げきった風呂敷を、最後に端っこだけ少し畳んでみせた」といった感じの展開です。王道と言えば王道。月並みと言えば月並み。同性愛嫌悪を所与のものとして恋の障害にまつりあげていないところは大変よかったです。

『いんさつ』(のり、一迅社)感想

同人誌を扱う印刷会社を舞台とする萌え4コマ。ニッチな同人ネタの数々が面白いです。百合ネタについては、古典的な「そっちの人」系セクハラギャグが主体となっているところが今ひとつ。百合部分はあくまでオマケと割り切って読むのが吉かと。

「マンガ・エロティクス・エフvol.59」特集 青い花トリビュート(太田出版)感想

マンガ・エロティクス・エフの『青い花』トリビュート特集号。ページをめくってもめくっても33人の豪華執筆陣による『青い花』イラストが続き、どの絵もきちんと『青い花』なのにそれぞれの作家さん固有の魅力も炸裂という大変なことになってます。

『384,403km―あなたを月にさらったら』(向坂氷緒、フランス書院)感想

384,403km―あなたを月にさらったら (ティアラ文庫)作者: 向坂氷緒,玄鉄絢出版社/メーカー: プランタン出版発売日: 2009/09/03メディア: 文庫購入: 17人 クリック: 320回この商品を含むブログ (25件) を見るユーモアとエロティシズムを詰め込んだ、ナイスな百…

『青い花公式読本』(志村貴子と藤が谷女学院新聞部、太田出版)感想

最近アニメ化が実現した百合漫画『青い花』の公式ガイドブックです。アニメ版のファン向けの本なのかと思いきや、全然そんなことはなく、原作しか読んでいない自分でも十二分に楽める本でした。描き下ろし番外編「みんなの体育祭」もよかった。

『渚のハイQ部(1)』(胡せんり、一迅社)感想

離島の弱小ビーチバレー部を描く萌え4コマ。絵柄はキュートだし、キャラたちの心のやりとりも楽しいんですが、百合ものとしては今ひとつ軸がはっきりしない感じです。鼻血キャラや外見が幼女な大人キャラなど、ありがち設定が多いところもややマイナス。

『おとこのこは魔法』(さかもと麻乃、幻冬舎コミックス)感想

独創性ゆたかなファンタジー短編集。ユニークな世界観と、表情豊かなキャラたちが魅力的です。タイトルからは想像しがたいものの百合っぽいお話も2編収録されており、ファンタジー漫画としても、友情プラスアルファな百合作品としてもおすすめです。

文庫版『花宵道中』(宮木あや子、新潮社)感想

花宵道中 (新潮文庫)作者: 宮木あや子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/08/28メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 23回この商品を含むブログ (22件) を見る 短篇「大門切手」と解説がよかった 江戸時代の遊郭「山田屋」が舞台の小説の文庫版です。単行本…

『ストライクウィッチーズ 乙女ノ巻(3)』(南房秀久、角川書店)感想

ストライクウィッチーズ 乙女ノ巻3 (角川スニーカー文庫)作者: 南房秀久,島田フミカネ,上田梯子,ProjektK出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2009/08/01メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (17件) を見る低年齢層…

『ちょいあ!(2)』(天蓬元帥、徳間書店)感想

オタクネタ多めの萌え百合4コマ。最初の数ページだけで今どき稀なほどの同性愛・両性愛への偏見が垂れ流されており、がっかりしました。がんばって残りも読んだものの、冒頭で垂れ流された失礼な偏見をカバーできるほどの要素は皆無でした。