石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『羣青(上)』(中村珍、小学館)感想

ふたりの女の逃避行を描く物語。殺人が絡む点では映画『バウンド』を想起させますが、こちらの方がもっとざらついていてもっとタフなお話。逃亡劇という点では『テルマ&ルイーズ』も連想させますが、このズキズキする痛みは『テルマ〜』よりはるかに上。

『オクターヴ(4)』(秋山はる、講談社)感想

元アイドルの宮下雪乃と作曲家・岩井節子の恋物語第4巻。この巻の感想をひとことで言うと「雪乃、おそろしい子……!」ですね。無防備な魔性の女・雪乃の危なっかしい足取りに、節子も読み手も振り回されっぱなしという1冊だったと思います。

『蒼穹のカルマ(4)』(橘公司、富士見書房)感想

蒼穹のカルマ4 (富士見ファンタジア文庫)作者: 橘公司,森沢晴行出版社/メーカー: 富士見書房発売日: 2010/02/20メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 41回この商品を含むブログ (20件) を見る相変わらず破天荒なおもしろさ。百合方面も濃厚です姪の在紗を百合…

『青い花(5)』(志村貴子、太田出版)感想

ノッポでシャイな「万城目ふみ」と、小さな元気娘「奥平あきら(あーちゃん)」のラブストーリー第5巻。今回はふみとあーちゃんの恋には大きな進展はないのですが、その周辺で繰り広げられるさまざまな恋模様が実に面白かったです。

『ラブフラッグ★Girls!!』(高橋依摘、一迅社)感想

予備知識ゼロで買ったので、読んでびっくり。「百合で海賊」という新境地ですよ、これ。ただし設定やストーリーはかなりゆるめで、お話のポイントは海賊云々よりむしろいちゃエロにあります。で、そのいちゃエロこそが面白かったです。

『晴れのちシンデレラ(2)』(宮成楽、竹書房)感想

極貧経験のある怪力お嬢様「春日晴(かすが はる)」が主人公の4コマギャグ漫画、第2巻。疲れた心を力技で揉みほぐしてくれる、「パワフルな癒し系」とでも呼ぶべき作品だと思います。ほんのりと百合なネタもキュートで、楽しく読めました。

『とある科学の超電磁砲(4)』(冬川基[画]/鎌池和馬[原作]、アスキー・メディアワークス)感想

学園都市での超能力バトルを描く近未来SFアクションの第4巻。物語はいわば新章に突入。1巻からの大きな伏線がいよいよ回収され始め、スリリングな展開となっています。百合っぽさは今回かなり変則的な方向から来ているのですが、こちらもとてもよかった。

百合アンソロジー『つぼみ VOL.5』(芳文社)感想

いやあ嬉しい。前号では中高生主体の学園ものの比率が妙に増えていて、このままありがちな思春期美化アンソロになってしまうのかと危惧していたんですが、まったくの杞憂でしたね。このVOL.5では、『つぼみ』の最大の魅力である守備範囲の広さが完全復活。

漫画『花宵道中(1)』(斉木久美子[画]/宮木あや子[原作]、小学館)感想

宮木あや子さんの小説『花宵道中』のコミック版。1巻には第1部「花宵道中」全部と、第2部「薄羽蜻蛉」の冒頭部分が収録されています。原作そのままの切なさに、漫画らしいビジュアル表現の力も加わって、読みやすいのにぐっとくる時代物となっています。

『お江戸とてシャン』(森島明子、芳文社)感想

純朴な町娘「おヒナ」といなせな火消し「虎吉」の恋を描く時代物4コマ。「メインではないけれど百合な部分あり」と聞いて購入してみたのですが、メインの部分も百合な部分も鼻血出そうな面白さでした。お話全体にたっぷりと漂う江戸テイストも楽しいです。

『サイゴン・タンゴ・カフェ』(中山可穂、角川書店)感想

サイゴン・タンゴ・カフェ (角川文庫)作者: 中山可穂出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2010/01/23メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (12件) を見る表題作が圧巻ですすべての物語にアルゼンチンタンゴ…

『える・えるシスター(3)』(邪武丸、一迅社)感想

生徒会長「一菜」と妹「ふたば」の姉妹愛を描く学園百合コメディ、第3巻。着実に笑わせてくれる安定感が魅力です。2巻と比べると百合ネタはややおとなしめですが、その分「ふたばのライバル誕生」という新展開に力が入れられており、楽しく読めました。

『失楽園(2)』(尚村透、スクウェア・エニックス)感想

男尊女卑な学園で主人公ソラ(♀)が奮闘する物語の第2巻。1巻よりは独自要素が多く、百合方面でも大告白があったりして、面白みが増していると思います。ただし巻末収録の読み切り版「失楽園」は説明台詞のオンパレードで、プロの作品とは思えないできばえ。

『此花亭奇譚(1)』(天乃咲哉、一迅社)感想

もののけだけが棲む場所にある温泉宿「此花邸」が舞台のファンタジー漫画。主人公「柚」をはじめとして、宿の仲居たちは全員狐耳の美少女という設定です。絵はとても可愛らしいのですが、キャラたちにそつがなさすぎて、今ひとつお話にのめりこめない感じ。

『カシオペア・ドルチェ(2)』(高木信孝、一迅社)感想

ドールマイスター見習いのアンナと、その指導者エルザの恋模様を描く百合漫画。1巻よりもストーリーらしいストーリーがあるし、ドール作りの場面なども面白かったです。しかし、相変わらず女のコ同士のキスの扱いが安っぽいところがどうにもこうにも。