石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『此花亭奇譚(2)』(天野咲哉、一迅社)感想

どこか懐かしい和風世界を描いたファンタジー。読んでいると心のコリがゆるゆるとほぐれていくのがわかります。直球で百合ん百合んな物語をお求めの方には向かないかもですが、何か心なごむ漫画でリラックスしたい方にはすごくおすすめ。

『君が僕を(4)〜将来なにになりたい?』(中里十、小学館)感想

君が僕を 4 (ガガガ文庫)作者: 中里十,山田あこ出版社/メーカー: 小学館発売日: 2010/08/18メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 72回この商品を含むブログ (11件) を見るえらく難解な最終巻商売繁盛の神様“恵まれさん”をつとめる女子中学生「真名」と、真名に…

『ときめき☆もののけ女学園(2)』(南国ばなな、一迅社)感想

妖怪×人間の百合ギャグ漫画、完結編。主人公・あられと猫股のキリの愛が深まっていくところはいいんだけど、貝合わせにこだわり過ぎてるところにちょっとがっかり。BLにおける挿入至上主義とよく似た匂いを感じてしまって、もやもやしました。

漫画『花宵道中(3)』(斉木久美子[画]/宮木あや子[原作]、小学館)感想

小説『花宵道中』のコミック版。姉弟の哀しくも美しい運命を追う「青花牡丹」編が絶好調です。女同士の連帯という点では、菊由ねえさんがすごくよかった。原作のエピソードをていねいにすくい上げて、時にコミカルに時に哀切に描き出す筆致もすばらしかった…

『オクターヴ(5)』(秋山はる、講談社)感想

元アイドル「雪乃」と作曲家「節子」の危なっかしい百合ラブストーリー、第5巻。今回もチクチクズキズキくる展開で、非常に心臓に悪かったです。ちなみに、この巻でいちばん印象に残ったのは、雪乃の郷里の友人「鴨ちゃん」のエピソード。

『プリンセス♥プリンセス』(青木光恵、一迅社)感想

描き下ろしも含め計7作品が収録された百合短編集。スケバン百合こと「バンカラ乙女学園」が白眉でした。スケバンとギャルの恋物語なんですが、レトロなイメージへの愛と遊び心がいい感じなんですよ。

百合アンソロジー『つぼみ VOL.7』(芳文社)感想

創刊から1年半、めでたく今号から隔月刊となった百合アンソロです。今回はなんといっても付録小冊子「婦女子的艶麗着色読本」が最高。豪華執筆陣によるカラーイラスト集で、美しいわエロいわ笑えるわとたいへんなことになってます。

『エビスさんとホテイさん』(きづきあきら+サトウナンキ、芳文社)感想

エリートOLエビスさんと、その同僚・ホテイさんの織りなすOL百合ストーリー。可愛くて、なおかつズキズキするお話で、とても面白かったです。いかにも女同士らしい嫉妬心やら嫌がらせやらを正面から描いてみせたところが特に新鮮。

『しまいずむ(1)』(吉富昭仁、芳文社)感想

「遥」と「芳子」の女子中学生ふたりが互いの妹に萌え萌えムラムラする百合ラブコメ。人としてかなりダメな姉たちのヘンタイっぷりと、その陰に秘められた甘酸っぱい恋模様との二重構造がたまりません。少女たちのみずみずしいエロティシズムもよかったです。

『星川銀座四丁目(1)』(玄鉄絢、芳文社)感想

小学生女子「乙女」と女教師「湊(みなと)」の、13歳差のラブストーリー。ほっこりと可愛らしく、かつエロティシズムも忘れない良作です。第1話あたりはまだ手探り感があるのですが、それ以降では俄然お話に脂がのって、どんどん目が離せなくなります。

『死神アリス(1)』(いづみやおとは、一迅社)感想

女子高生「真崎」と殺し屋少女「ひなげし」のガールミーツガール物語。女性に比べ男性キャラの描き方が雑な気もしますが、百合部分は背骨がきっちり通ってますし、全編にみなぎるフトモモ愛もよかったです。

『フィダンツァートのためいき』(田中琳、一迅社)感想

私立女子校を舞台とする百合短編集。残念ながらあたしには合いませんでした。ストーリーが予定調和すぎるところや、キスやセックスの描き方に疑問が残ること、同性愛を「異常」「非生産的」とする価値観が当然視されているところなどが、その原因です。

『ゆきの咲くにわ(2)』(たつねこ、一迅社)感想

雪女の「ゆき」と人間「千尋」の関係を描く百合4コマ。1巻は「基本まったり、時々ゾクリとさせられる微エロ4コマ」でしたが、うってかわってこの2巻はバトルシーン多め。メインカップルは順調に距離を縮めており、ぐっとくる場面も多かったです。

『HONEY CRUSH(2)』(椿あす、一迅社)感想

幽霊・霊感少女・天然美少女の3人が織りなすドタバタ百合ストーリー、最終巻。「新キャラ連発で場つなぎするも間が持たず、強引にカップル成立させて終わり」というなんとも消化不良感だだよう1冊でした。

『ROSE MEETS ROSE』(慎結、一迅社)感想

面白かったです! この本におけるファンタジー設定は、実は痛々しくもいとおしい現実を代弁するメタファーであり、「女の子同士はファンタジーなの☆」みたいなお花畑とは一線を画するところにあると思います。くっきりしたキャラ立てもよかったし、絵柄も見…