石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

映画『マリア様がみている』レビュー

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TMA 2008-12-19
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マリみてパロディAV。エロとしてもパロとしてもなんかダメ

ご存知「マリア様がみてる」をパロった18禁百合AVです。もうちょっと笑える作品かと思ってたんだけど、エロとしてもパロとしてもなんか中途半端でした。もっとエロならエロ、パロならパロとどっちかに特化すればいいのに。これなら、抜きたかったらマリみてエロ同人誌を、笑いたかったら同ギャグ同人誌を買った方がはるかにコストパフォーマンスが高いわね、どう見ても。

この作品、ここがダメ

1. セットが極端に貧乏くさい

指先でつっついたら倒れそうなマリア像(そもそも、最初から微妙に傾いてるし)の前で「タイが曲がっていてよ」とか言われましても。

2. キャスティングがグダグダ

さよ子(原作の祥子に相当)役がキツネ顔、祐己(同、祐巳に相当)役がタヌキ顔という最低ラインは一応クリアしてあるものの、その他は「ガチムチ女子プロレスラー」「小顔ヤンキー」「メガネ宇宙人」「おっさん」というすばらしい顔ぶれです。さあ、それぞれ原作の誰に相当するのか当ててみよう。(解答はこのレビューの最後にあります)

あと祐己役の人は、見ようによっては半魚人に見えますね。髪の毛をふたつしばりにしときゃいいってもんじゃないよね。

3. 演技がグダグダ

さよ子さま役の人以外はほぼ全員、いっそすがすがしいほどの棒読みです。特にHシーンは、さよ子さまが熱演すればするほど祐己の大根っぷりが際立つという萎え構造になってます。ちなみに祐己の演技はというと、ぜんぜん気持ちよくなさそうな声で「恥ずかしい」「お姉さま」「気持ちいい」の三単語をテケトーに繰り返し続けるというものです。

さよ子さま&祐己以外の役者さんたちについては、「おのれカシモト(柏木さんに相当する役柄)、両刀だったか」のシーンで水を得た魚のように相手にガンを飛ばす姿がただのヤンキーそのもので大笑い。リリアンの生徒らしくなくってよ、お姉さま方。

4. 演出がグダグダ

テンポ遅すぎ。序盤なんか何の芸もないドアップのキスシーンだけで丸6分もやってる(退屈してストップウォッチで計ってみたあたしもあたしだけど)のよ。しまいには祐己のよだれがブクブク泡ふいてるんだもん、狂犬病かと思ったわよ。後半になるとようやく脱衣の絡みとかも出てくるんだけど、カメラアングルが局部にばっかり寄ってる野郎目線の映像ばかりで退屈でした。同じ百合エロなら、『新・百合族 先生、キスしたことありますか?』でも見た方がはるかに楽しめると思います。

この作品、ここがイチオシ

ここまでしょーもない作品のただ一点の見所、それは「高嶋蔦子さん」(原作の『カメラちゃん』ね)です。可愛いって意味じゃないわよ。たぶん滑舌が異様に悪いんだろうけど、謎の宇宙語しか喋らないから、そこだけ不条理劇のようで目が離せないのよ!!

蔦子さん宇宙語語録
  • 「イパラノミネ」(某Flashで有名だけど、本当にこう聞こえるのよ!)
  • 「シツコサンハロサキカンアンプウトン」
  • 「シツコサンガエラモノネー」

聞こえた通りにそのままメモしたらこんな感じでした。しまいにはこの人、自分で言ってました。(カタカナ部分は原音に忠実にディクテーションしたものです)

「オサキイリマスカー、私には話がぜんぜん見えません」

見えないのはお前の話だ、お前の。

まとめ

笑えることは笑えるんだけど、金出して買うほどのもんじゃないわね……。一人で見てると寒くなってくるしね。話のタネに何人かで割り勘で買って騒ぎながら見て、1回見終わったら叩き売るというのがこのDVDの正しい使い方なんじゃないかと思います。

クイズの解答

「ガチムチ女子プロレスラー」→蓉子さま、「小顔ヤンキー」→聖さま、「メガネ宇宙人」→蔦子さん、「おっさん」→柏木さん