石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

『はやて×ブレード(6)』(林家志弦、メディアワークス)感想

はやて×ブレード 6 (電撃コミックス)

はやて×ブレード 6 (電撃コミックス)

1冊まるごとメイドコスプレ

「1冊まるごと学園祭」の巻。というより、「1冊まるごとメイドコスプレ」な巻と言った方がより正確かもしれません。前半では神門玲ファンクラブとはやての対決が、後半では染谷・上条組vs朱・氷室組の対戦が描かれるのですが、どこを切っても金太郎飴のごとく誰かのメイド服姿が出てくるのがたまりません。ていうかもう、p6で3段抜きで登場する綾那のメイド姿だけで¥578(税込み)のもとが取れます! もちろん、さすがこの作品だけあって、皆さん姿格好こそメイドでもその実「メイド忍者」「呪い人形なメイド」「やさぐれたメイド」などのむちゃくちゃな路線をひた走っていて、そこが最大の魅力なんですけどね。全体的にバカパワーも変態パワーも1~5巻にひけをとらない、楽しい巻だったと思います。

良かったところ。

  • カバー裏でひつぎが言い放つ台詞
  • メイド服のみなさんがひつぎから渡された武器(似合ってるけどバカすぎる……!)
  • みずちさんの繰り返しギャグ(こんな人だったとは、と笑い転げました)
  • 桃香・犬・猿・雉がいつの間にか仲良しカルテットとして機能しているところ
  • 一瞬だけ出てくる、綾那の家の暗く重そうな事情

上記5つ目の、暗いオーラ漂う綾那の家庭事情(細かいことはまだ明かされていませんが)を見て思ったんですが、『はやブレ』って実は暗い背景を背負ったキャラクタが多いんですよね。はやては孤児、順と夕歩は実は姉妹、みずちは悪徳高利貸しの娘、みたいに。そういった重めの事情を「バカ」と「無知」とで元気に乗り切ってしまうというのがこのお話の基本構造なのかもしれないな、とちょっと思いました。

ちょっと残念だったところ。

短期間の間に登場するキャラクタが多すぎて、時々誰が誰だか見分けがつかない……。何度か「この人の名前何だっけ。ていうか誰だっけ」と綾那状態に陥り、混乱しました。いや、お祭りということでにぎやかな方がいいのはわかりますし、そもそも記憶力のないあたしが悪いんですけど、もう少しお話を整理するか、久しぶりのキャラはすぐ名前がわかるようにしてくれるとありがたかったかも。