石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

『ぱりあんの園』(イマイヒヅル、ワニブックス)感想

ぱりあんの園 (Gum comics)

ぱりあんの園 (Gum comics)

ややあざといドタバタ百合エロコメ

あとがき漫画で作者さん自ら「聖乙女禁断の恋物語と思って下さったかもしれない方は『だまされたぁっ、なんじゃこりゃあ!!』 ……と思っていらっしゃることでしょう」と恐縮しておられる通り、えらく特殊な立ち位置の百合漫画だと思います。

『ぱりあんの園』は、「カトリック系女子校の柔道部で、巨乳ロリータ美少女『芍薬ぼたん』が憧れの先輩に悶々とするドタバタコメディ」です。「女子校・乙女の園・全寮制」などのテンプレ百合設定に敢えて「柔道」と「エロ」という異質なものを突っ込んでパロディーにした感じ、と言えば伝わるでしょうか。ちなみに先輩の方は恋愛感情ゼロなので、ラブストーリーではありません。18禁漫画でもないわりにはおっぱいの描き方等のエロ描写がかなりくどくてあざといため、そこをギャグとして楽しめる人でないとつらいものがあると思います。逆に、「あざといぐらいのおっぱい描写がある百合ギャグ漫画を読みたい!」という方にとっては文句なしに「買い」な漫画でしょう。

個人的には、あんまり合わなかったかな……。同じエロ描写でも、キャラクタ本人の意思で脱いだり乳揺らしたりしてるんなら歓迎なんですが、この作品ではぼたんが単に描き手や読み手の妄想を受け止めるための装置にされちゃってるようなシーンが多くて、あたしにはあまり楽しめませんでした。ぼたんに懸想するシスターなんてのは、いい味出してたと思うんですけどね。ううむ。