石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

『いおの様ファナティクス(1)』(藤枝雅、メディアワークス)感想

いおの様ファナティクス (1) (Dengeki comics EX)

いおの様ファナティクス (1) (Dengeki comics EX)

水戸黄門風ハーレム百合コメディ

小国の女王様いおの様が日本で側女(複数)を探すという、一種のハーレム百合漫画。分類としては軽いコメディなのですが、水戸黄門になぞらえたキャラクター配置が面白かったです。列挙してみると、こんな感じ。

いおの様(水戸黄門)
女のコ大好きの若き女王様。すっとぼけた性格なものの、家臣のピンチにゃ命も張ります。
鉢辺絵兎(うっかり八兵衛)
外見は理知的なメガネキャラなのに、中身は超のつくうっかり者。いおの様に口説き落とされ、側女となる。
キャス・ルーセンス(格さん)
いおの様のお目付け役。口うるさいが、いおのにベタ惚れしている。
アイダ・ブルーメール(助さん)
同じくお目付け役。にっこり笑って暗躍するタイプ。
フレシェ・ヴァンセット(風車の弥七)
運転手兼SP。クールビューティ。
アルジェント・エフェメール(かげろうお銀)
ロリ服美少女のSP。お銀と同じく、いつまでたっても年を取らないはず(たぶん)。入浴シーンもありますよ(他の皆も一緒に入ってますが)。

言うまでもなく、これ全員女性ですよ。上記以外にもゲストキャラでたくさんの個性ある女のコたちが登場し、華やかな展開を見せます。個人的にはソバ打ち娘と暗殺者さんがすげー好きです。

登場人物が多いわりにあまりごちゃごちゃした印象になっていないのは、いおの様のキャラがはっきり立っており、キメるときにはしっかりキメてくれるからでしょうね。普段はただの節操のない女好きなのに、ピンチの時とここ一番の口説きのときはめちゃくちゃカッコイイんですよ、この人。そりゃあ女も惚れるわ、って感じで。

時代劇を現代に置き換えた漫画というと『やじきた学園道中記』なんかが浮かびますが(あれも一部百合っぽいですよね)、それをこうしたハーレム百合コメディでやるっていうのは他に例がないんじゃないでしょうか。そこがたいへん新鮮で、面白かったです。

注意点

上記のようにとても魅力的な漫画なのですが、注意点がいくつかないでもないです。

  • いおの様の口調が、「~ぞよ」という、かなり独特な語尾を持つこと。
  • 絵が顔のアップとバストアップ主体で、突然萌え4コマ的な3頭身になること。
  • いおの様はポリガマス(または非モノガミー/ポリアモリー)な人であること。つまり、1対1でなく1対多の恋愛をする人であること。

このへんは、受けつけない人は徹底して受けつけないかもしれません。苦手な方はご注意を。

まとめ

「ポリガマスな水戸黄門(正確には女王様ですが)の側女探し」という、ちょっと他に例を見ないタイプのハーレム百合漫画。魅力的な女性キャラが多く、華やかです。肩に力を入れずに読める軽めの百合コメディをお探しの方におすすめ。