
- 作者: 麓川智之,片瀬優
- 出版社/メーカー: ジャイブ
- 発売日: 2008/01/07
- メディア: コミック
- 購入: 1人 クリック: 16回
- この商品を含むブログ (15件) を見る

- 作者: 麓川智之,片瀬優
- 出版社/メーカー: ジャイブ
- 発売日: 2008/04/07
- メディア: コミック
- 購入: 3人 クリック: 15回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
雑誌掲載時より読みやすくなってる!!
PS2百合ゲー『アオイシロ』のコミック版です。「キャラの見分けがつきにくい」「場面の状況がわかりづらい」という理由から、コミックラッシュでの連載分は第2話までで挫折していた自分ですが、この単行本はかなり修正されているようで非常に読みやすく、一気に物語世界に入っていくことができました。これなら喜んで読むよ、3巻も買うよ!
注意点としては、ネタバレ要素が多いためゲームを未プレイの方にはおすすめできないということぐらい。ちなみに2巻のラストに収録されている「アカイイト―花影抄―」もよかったです。
雑誌掲載時との最大の違い:場面の状況がきっちりわかる
以下、コミックラッシュ誌上で第2話を読んだときの感想から引用してみます。
2. 場面の状況がわかりづらい
たとえば今回の夕食のシーンなんかがそうですね。ここでは、戸外のシーンから一転して味噌汁のお椀のアップが出てきたと思ったら、その次はいきなり誰ともわからない(顔がほとんど見えていない上、服装にも特徴がない)2人の人物のバストアップです。さらにその次のコマでは、ごくごく小さいコマの中に俯瞰で6人の人物がちんまりと描かれており(これもまた、和尚とミギー以外は誰が誰やらわかりにくいです)、しかもテーブルは途中で切れているため、部屋全体では誰と誰が総勢何人ぐらいで食事しているのかさっぱりわかりません。
たったこれだけの状況説明でいきなり顔のアップとバストアップのみの会話シーンに突入するので、キャラの見分けづらさともあいまって「これ誰? なんでいきなりこの人とこの人の会話に加わってるの? あれ、もしかして一緒にごはん食べてるの? でも座席の位置関係がわかんないよ、いったい誰がどこにいるの?」と混乱しまくりました。おかげで会話の内容がさっぱり頭に入らずじまい。
ここ、単行本版ではめっちゃ読みやすくなってますよ! まずいきなりお椀のドアップではなく、俯瞰のコマから食事シーンに入り、次のコマではメニューがカレーであることがわかるようになってます。次にカメラを引いて百子と保美の会話。百子と保美が仲良く並んで食べていることがはっきり見てとれる構図です。そのあと、百子の向かいで綾代が、綾代の隣で梢子が食事中であることがテンポよく描写されていき、さらに汀の重要セリフではドンと大きなコマを使って全員の位置関係をおさらい。読みやすい! わかりやすい! 直後の花子先生の鬼退治話にも、すっと入っていきやすいです!
手元に雑誌の方がなくて、逐一突き合わせることができないのが残念ですが、これは相当の修正がなされたんではないでしょうか。ちなみにその他の場面でも、雑誌で第2話を読んだときのような、「『どれが誰で、誰と一緒にどこで何をしているのか』を把握するだけでエネルギーを使い果たしてしまう」ということは皆無。単行本を待っていてよかったです。
キャラクタの描き分けについて
これについては「少なくともゲームクリア後ならまったく問題なく読める」というのが結論です。ゲーム未プレイで1〜2話を読んだときは、百子と保美の区別さえつかずに混乱しまくりましたが、今回はまったく無問題。単行本収録にあたりキャラの顔にも加筆修正がなされたのか、それとも単にゲームをクリアして自分の中でのキャライメージがはっきりしたためなのかは定かではありませんが、とにかくストレスなく読むことができました。
その他いろいろ
- ストーリーは今のところナミルートっぽいです。ゲームと違って何度も何度も何度も同じ食事のシークエンスを見なくていいし、台詞回しも簡潔だし、唐突な首チョンパEDをしつこく見せつけられなくてもサクサク先に進めるので、むしろゲーム本編より面白いかも。ちなみに2巻のラストで、卯良島に渡って少ししたあたりまでが描かれています。
- ナミの目覚めのシーンの見開き一枚絵は圧巻。とにかく綺麗。思い切った構図にも拍手。
まとめ
雑誌掲載時よりも読みやすくなった力作。ただし、ゲーム未プレイだとキャラの見分けがつきづらいかも? というわけで、
- コミックラッシュ誌上でしか読んでない人と単行本派の人
- ゲーム未プレイの人と既にプレイした人
の間ですごく評価が分かれそうな作品だと思いました。単行本派でゲームプレイ済のあたしとしてはたいへん気に入ったので、引き続き3巻も購入する予定です。