石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

『はにかみ日和』(電脳桜蛙団、一迅社)感想

はにかみ日和 (IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス)

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百合として読むには中途半端かと

ボーイッシュな少女「宮園あきら」と、あきらを萌えっ娘にしようと画策する萌え神(通称『萌』)が織りなす4コマ漫画。萌のあきらへの傾倒ぶりはわりあい百合っぽいのですが、全体的には、百合漫画として読むには少々中途半端かと。いや、別に百合ものを標榜した作品ではないみたいなので、それはそれでありなんですが。

中途半端に感じられる原因は、「会長さん(♂)のロリコン設定を途中でうやむやにしてまで、会長&あきらのヘテロ恋愛話にウエイトが置かれていく」というところにあります。いや、別に主人公がヘテロ恋愛に邁進すること自体はいいんですが(くどいようですが、百合を標榜した作品ではないわけですし)、男女ラブ路線に持っていくためなら前半の設定も曲げてしまう、というところがちょっといただけませんでした。萌が帰ってきたときのあきらの台詞も、やっぱり「まず会長ありき」を大前提としてるっぽいところが拍子抜けだったしなあ。友情路線のお話でも、たとえばドラえもんと再開した時ののび太みたいな熱い友愛シチュエーションを描くってことはできると思うんですが、そういうのともちょっと違うと思うんですよあれは。

というわけで、たとえ友愛路線としてでも、百合目当てで読むことはあんまりおすすめしません。あきらにモエモエする萌の姿はコミカルでとても可愛いものの、全体的にはあくまでも「異性愛>同性との友愛」というスタンスの作品だと思います。