石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

米テネシー州の107校の公立学校、LGBTサイトへのアクセスを不法にブロック。ただし「ゲイを治療する」サイトへのアクセスは許可

テネシー州の107校もの公立学校が、生徒たちのLGBTサイトへのアクセスをブロックし、その一方で「ゲイを治療する」("Ex-Gay")サイトへのアクセスは許可しているというニュース。Knoxville News Sentinelの記事によると、アメリカ自由人権協会(ACLU)はこのようなアクセスブロックは米国憲法修正第1条およびテネシー州憲法に抵触するものであるとし、状況が改善されなければ訴訟を起こすと通告しているそうです。

Box Turtle Bulletinの記事によると、ACLUに手紙を送った17歳の生徒は、LGBT生徒への奨学金の情報を探そうとしていて、このフィルタリング・ソフトの存在に気づいたとか。ちなみにこのソフトは、デフォルトで以下のような団体へのアクセスをブロックしています。

  • Parents, Families, and Friends of Lesbians and Gays (PFLAG)(レズビアン・ゲイの親、家族、友人の会)
  • The Gay Lesbian Straight Education Network (GLSEN)(ゲイ、レズビアン、ストレートのための教育ネットワーク』)
  • Human Rights Campaign (HRC)(アメリカ最大のゲイ・レズビアン団体)
  • Religious Coalition for the Freedom to Marry (同性カップルへの結婚差別に反対する連合)
  • The Gay and Lesbian Alliance Against Defamation (GLAAD) (中傷と戦うゲイとレズビアンの同盟)
  • Dignity USA (an organization for LGBT Catholics) (LGBTのカトリック教徒のための団体)

これらのサイトへのアクセスが阻害される一方で、このソフトは「ゲイを治療する」("Ex-Gay")サイトへのアクセスはブロックしません。また、同性婚に反対するサイトもブロックされません。しかし、先日のエントリでもお伝えした通り、"Ex-Gay"は「効果がないばかりか、害をなしうる」と複数の専門家に指摘されています。また、同性婚に関しても、Box Turtle Bulletinの記事内で高校司書のKaryn Storts-Brinksさんが述べているこちらの意見に理があると思います。

「生徒たちに物事を両側面から見ることをさせなければ、時事問題の課題で何か調べる必要があるとき、片方の視点しか得られないことになります。それは公正でないばかりか、学業の妨げにもなり得ます」

つまりLGBTでない生徒たちにとっても害があるわけですよ、このフィルタリング。やはり、教育機関がこのように偏った情報だけを生徒に提供するのは問題だと思います。がんばれACLU。