石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

アリゾナ州のハイスクール、ゲイ生徒のレインボーリストバンド着用を認める

アリゾナ州のハイスクール、ゲイ生徒に「レインボーのリストバンドをつけるな」と強要 - 石壁に百合の花咲く」の続報。アメリカ自由人権協会(ACLU)の勧告に応え、このハイスクールのある校区Peoria Unified School Districtは、先週リストバンドの着用禁止を撤回しました。学校長から「リストバンドを外すか、裏返してつけろ」と強要されていた14歳のゲイ生徒の母Natali Quintanillaさんは以下のように語っています。

「学校がようやく『ゲイ生徒の、憲法修正第1条で保証された権利を無視することはできない』と理解してくれたのはいいことです。
「私は息子が自分の権利のために立ち上がったことを誇りに思いますし、これで今後、他のゲイの生徒たちも、この学校で意見を圧殺されないようになるといいと思っています」

また、ACLUの弁護士スタッフのElizabeth Gillさんは次のように言っています。

「この校区が健全な判断力を取り戻して憲法修正第1条の侵害をやめたのは正しかったと思います。40年間もの間、学校がこういったことをするたび、裁判所の判例は生徒たちに味方してきたのですからね」

日本人には校則というものを金科玉条のように思いなし、「どんな校則でも、決まりなのだから従うべき」などと言う人が時々います。しかし、「決まりには従うべきだ。なぜなら、決まりだから」というのは循環論法であり、説得力を持ちません。決まりの有効性を議論するなら、「その決まりを支える根拠は何なのか」という視点が不可欠なはず。

このリストバンド禁止に関して学校側が挙げていた根拠は、「それを不快だ(offensive)と感じる先生方もいる」というものでした。しかし、それでは合衆国憲法修正第1条で保証された「言論の自由」を奪うには足りないと、今回この学校区は判断したわけです。合理的な判断であり、生徒のためにも良かったと思います。