このブログの「ドラマ」カテゴリでずっと感想を書いてる米ABCファミリーのドラマ『The Fosters』には、コールという名の10代トランス男子の登場人物がいます。全然知らなかったんですが、そのコールを演じている役者さん自身がトランス男性だったんですね。AfterEllenでのインタビューがおもしろかったので、ちょっと紹介してみます。
詳細は以下。
"The Fosters" Interview: Tom Phelan On Playing Trans Teen Cole - AfterEllen.com
上記インタビューによると、コール役のトム・フェラン（Tom Phelan）は17歳。このドラマがトランスジェンダーの俳優を探していると聞いて応募し、採用されたのだそうです。それまではずっと学校の演劇をやっていて、役者になるのが夢だったとのこと。
自分自身がトランスのティーンエイジャーであることから、コールのキャラクターをつかむのは「驚くほどかんたんだった」とトムは話しています。ただし、ライターやプロデューサーからのアドバイスもあって、当初考えていたよりも怒りの要素を抑え、彼のより繊細な側面を出すように演じているのだそうです。それ、正解だったと思うなあ。だからこそコールがあんなに魅力的なキャラになったんだと思うし、彼を思いやるキャリーの気持ちにも、いっそう視聴者が感情移入しやすくなってるわけだし。
ちなみにコールのあの特徴的なヘアスタイルは、役柄に合わせて変えたのではなく、オーディションのときからもともとあのスタイルだったんだそうですよ。「すごく気に入られました」とは本人の弁。似合ってるし、インパクトあるし、あれが気に入らない人なんていないんじゃないかと個人的に思います。
ファンからはどのような声が届いていますか、という質問への答えは、こう。
本当にいいことを言ってもらえています。たくさんの人がぼくのところにやってきて、「この物語を語ってくれてありがとう」って言うみたいな感じで。ほら、もちろん、自分としては「この物語を語っているのは脚本家だよ。ページに書かれた台詞通りに喋ってるんだし」って感じなんですけど。ファンの方々や、番組を見ているトランスの子たちからは、すばらしい反応がもらえています。今ぼくが受け取っているような愛の奔流が見られるのは本当に、本当にすばらしいことです。
I’m hearing a lot of really good things. I’ve gotten a lot of people coming to me, and being like, ‘Thank you for telling this story.’ Then of course, I’m like, ‘It’s the writers who are telling the story. It’s the words on the page.’ I’ve had such an amazing response from fans and from trans kids who’ve been watching the show. It’s really, really incredible to see the outpouring of love that I’m getting.
視聴者がコールというキャラクタから何を得てほしいと思いますかという質問には、こう。
世の中にはコールのような人がいる、ぼくのような人がいるということを知ってほしいと本当に思っています。ぼくらは他の人たちと同じような人間です。他のあらゆる人たち同様、敬意と愛を持って扱われるべきなんです。
I just really hope that people know that there are people like Cole out there, and there are people like me out there. We’re people like anyone else. We should be treated with the same respect and love as anyone else.
言うなればトム・フェランは、NetFlixの大ヒットドラマ『Orange Is The New Black』におけるラヴァーン・コックスみたいなものですよね。あちらもトランスジェンダーの役をトランスジェンダーの女優が演じて、大人気になったわけですから。まだ17歳だし、これから順調にキャリアを重ねていろんなドラマや映画に出まくってくれるといいなあ。
