飛び込み競技全米ジュニアチャンピオンのジョーダン・ウィンドル(Jordan Windle)選手が、ゲイのお父さんふたりに育てられたことについて、ハフィントンポストのインタビューに答えています。
詳細は以下。
The Incredible True Story Of Two Gay Dads And Their Diving Champ Son
ジョーダンさんは現在15歳。カンボジア出身で、赤ちゃんのときに両親をなくし、プノンペンの孤児院で育ちました。2歳のときに米国人のジェリー・ウィンドル(Jerry Windle)さんに引き取られて、今に至ります。ジェリーさんはかつて"Don’t Ask Don’t Tell"時代に海軍にいたこともあるゲイ男性。ずっと子供がほしいと思っていて、クメールルージュのために両親を失った子がたくさんいるカンボジアから引き取ろうと決め、ジョーダンさんを養子にしたのだそうです。
6年前ジェリーお父さんがアンドレス・ロドリゲス(Andrés Rodriguez)さんと出会って一緒に暮らし始めたことで、ジョーダンさんのお父さんはふたりに増えました。そのことについて、彼はこんな風に話しています。
「自分が異性愛者でゲイの両親がいるというのはどんな感じかと聞いてくる人には、『最高だよ!』と言っています。父たちはぼくを愛して支えてくれていますし、ぼくも父たちを愛しています」とジョーダンは言う。「ぼくらは家族なんです」
“When people ask me what it is like to be straight and to have gay parents, I tell them ‘It’s great!’ They love me and support me, and I love them,” said Jordan. “We are a family.”
ジョーダンさんはLGBTユースの自殺防止プロジェクト「It Gets Better」にも参加しています。
Jordan Windle's "It Gets Better" message - YouTube
この中でもいいこと言ってますよ彼。ちょこっと訳すとこんな感じ。
「ぼくと父の肌の色が違うといってからかう子もいます。パパが2人いることをからかう子も。でもぼくは、ぼくを愛してくれるパパが2人いるのはすばらしいことだと思っています」
「世界には、あなたのような親に愛されたがっている、ぼくみたいな小さな子がいるんです。It Will Get Better.」
つまりこれは「ゲイだから将来家族なんて持てないんだ、孤独なんだ」と絶望している若き同性愛者に向けたメッセージなわけ。当事者のことばだけに、説得力ありますよね、すごく。
なお、彼の飛び込み競技の仲間たちにはほとんどホモフォビアはないとのことですが、その親世代にはそうでない人もいるみたい。ジョーダンさんとパパたちがインディアナポリスのプライド・パレードのグランド・マーシャルになるよう依頼されたときには、ウィンドル一家の「(同性愛の)アジェンダ」なるものを勝手に想像して非難し、「うちの子をジョーダンと一緒にオリンピック予選に出させたくない」と言ってくる人もいたとか。結局ウィンドル家はパレードに参加し、文句を言ってきた人たちはそれ以上何もしなかったそうなんですけどね。
以下、ジェリーお父さんのことば。
わたしがジョーダンに望む最大のことは、人生を通じて幸せを見つけてほしいということと、夢を追う機会を得てほしいということです」とジェリーは語る。「もしジョーダンが将来合衆国を代表してオリンピックに参加し、金メダルを獲ったら、すばらしいでしょうね。息子がそうすることができて、良き市民に、そしてロールモデルになってくれるようなら、アンドレスとわたしは自分たちの仕事を果たしたのだと思います」
“My greatest hope for Jordan is that he finds happiness throughout his life, and that he has the opportunity to pursue his dreams,” said Jerry. “If it’s in Jordan’s future to go to the Olympics representing the United States and win a gold medal, that would be amazing. If he could do that and be a good citizen and role model, I feel Andrés and I have done our job.”
いいお父さんだよね。やっぱり子供にとって大事なのは、親のジェンダーの組み合わせでも血のつながりでもなく、「愛して、守って、幸せを願ってくれる人がいるかどうか」だと思いました。こんなステキな一家に「同性愛のアジェンダ」なる陰謀論で難癖をつける親を持った子たちの方がむしろ心配だわ。だいたい、ウィンドル家のやっていることは子供を愛し、子の夢を応援し、思いやりのある一流のスポーツ選手にまで育てるということで、これが何らかの「アジェンダ」ならむしろ見習った方がいいおうちの方が多いんじゃないかと思うんだけどどうよ。