フィンランドのルーテル福音教会のカリ・マキネン(Kari Mäkinen)大司教が、同性愛者および他の性的少数者に対する「残酷な扱い」について謝罪するコメントを発表しました。このコメントは、同国のWebsite「SuomiAreena」に掲載されています。
詳細は以下。
- Lutheran Archbishop apologises to gays for "cruel treatment" | Yle Uutiset | yle.fi
- Arkkipiispa Kari Mäkinen SuomiAreenan Avajaisissa: ”Anteeksi, silmässäni taitaa olla hirsi” - SuomiAreena
以下、Yle Uutisetから引用。
「何十年もの間わたしたちが罪深くも教会として、そして社会として性的少数者たちに示してきた圧力や待遇のことを考えると、今が謝罪すべき時だと思います。釈明も言い逃れも一切なしの謝罪です」と彼は宣言した。
“When I think of the outside pressure and treatment that we have been guilty of displaying towards sexual minorities as a church and as a society for decades and how it still continues, I think it’s time for an apology. Without any explanations or prevarications,” he declared.
フィンランド語の原文を見ると、大司教はイエスの「なぜあなたは、兄弟の目にある塵が見えながら、自分の目に梁があるのに気づかないのか」という句を引いて、教会や社会の残酷さについて詫びているんですね。性的少数者を「病気」「犯罪」「罪」などとして排除してきたのはフィンランドと教会の歴史の残酷な部分であるとして、他の人々もこの謝罪に続いてほしいと述べているようです。
Gay Star Newsによると、このマキネン大司教というのは、世界で初めてシビルユニオンに賛成した大司教なんだそうです。また、「すべての人が平等に扱われるべき」という理由から、平等な結婚(同性カップルも異性カップルも結婚できるということ)も支持しているとのこと。キリスト教団体が同性愛者には「治療」が必要というキャンペーンを展開したときには、性的少数者は神がそのようにお創りになったのだから病気ではないとして反対したそうです。
ただね、同じくGay Star Newsでも指摘されてますが、フィンランドでは以前キリスト教民主党代表が同性愛者の権利を否定する発言を繰り返したせいで、2010年の時点で約3万人の信者が福音ルーテル教会に愛想を尽かし、脱会しちゃってるんですよね。今回教会のトップから公式謝罪が出たというのはすばらしいことですが、今さらこれで教会に戻ってくる人が果たしてどれだけいるのか、疑問に思います。いや、「教会はアンチゲイで信用ならん」という考え方も、やっぱり「目の中の梁」なんだろうとは思いますが。うーむ。