米国オレゴン州のクィア男性が、ポートランドのアップルストアでメールアドレス欄に"fag"(『オカマ』を意味する罵倒語)と打ち込んだレシートを渡されたとFacebookで訴えています。
詳細は以下。
Portland Apple Store Prints Receipt For “Fag” Customer, Declines To Rectify Situation / Queerty
この男性Adam CatanzariteさんはHIV予防の専門家で、Cascade AIDS Projectのメンバー。2014年7月8日に当該店で29ドルのイヤフォンを買ったところ、以下のレシートを渡されたのだそうです。名前(Adam Catanzarite)のすぐ下に、f@g.comと印字されているのがわかりますか?
Portland man says his Apple Store receipt came with a gay slur http://t.co/Fw2StrmfSv pic.twitter.com/4lUVs92L2n
— Yahoo Tech (@YahooTech) 2014, 8月 14
ここは本来なら、Catanzariteさんのメールアドレスが入る場所なんだそうです。OregonLive.comによると、Catanzariteさんは当日店頭でメールアドレスを教えてほしいと言われ、断っていたとのこと。Queertyのコメント欄では、「決済の都合でPOS端末に何らかのメールアドレスを入れる必要があったのでは」と指摘されていますが、それにしたって"f@g"はないわ。これ、相当強い罵倒の言葉ですもん。
Catanzariteさんは買い物後何日か経ってから事態に気づき、店長に連絡。店長はCatanzariteさんの口座にイヤフォン代を払い戻すと言ったとのこと。しかしそれから数週間経っても払い戻しは実行されず、それでFacebookでこのレシートの写真を公開することにしたのだそうです。
CatanzariteさんがFacebookで書いたコメントをちょっと訳してみます。
自分自身がクィアで、クィアな若者たちと一緒に活動しているため、私はこれが若者たちを自傷行為に至らしめるホモフォビックな信念や行動の典型例であることを経験からじかに知っている。この種の行為は許されるものではない。とりわけ、LGBTQを受け入れ歓迎していることを誇りに思っている企業ならば。
Being queer and having worked with queer youth, I know first-hand that this is an example of the type of #homophobic beliefs and actions that lead young people to harm themselves. This type of action is NOT OKAY, especially from a company that prides itself on being LGBTQ inclusive and welcoming.
Appleは昔からLGBTQフレンドリーなイメージを押し出していて、今年もCEO自らサンフランシスコ・プライドに参加してたりしたのに、末端の従業員がこれじゃ台無しですわな。
今のところ、Appleのスポークスパーソンは、会社としてはこの件は把握しているとしつつも、これ以上のコメントは拒否しているようです。Catanzarite氏は"f@g.com"なるアドレスを入力した従業員の解雇は求めておらず、このような言葉がどれだけの悪影響を持つのか学ぶ機会を与えるべきだと主張しているとのこと。だよね、トカゲの尻尾切りより再発防止だよね。
Appleが本当にLGBTQのためを思っているのなら、パレードで旗を振ったりiTunesストアのギフトカードを振りまいたりするより、まずこういうところに力を入れてほしいです。パレードは非日常だけど、買い物は日常だもの。年に1回「支持しています」と表明されることより、1年365日安心して買い物ができることの方が大事。ていうかあたし昨日新しくiPad mini Retinaディスプレイモデルを手に入れたばかりで浮き浮きしてたのに、こんなところで冷や水をぶっかけられたくなかったわ。頼むよApple、もうちょっと好きでいさせてよ。