石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

結婚式で罵声を浴びた米ゲイカップル、祝福に満ちた「やり直し」の式を挙げる

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結婚式をぶち壊された米ゲイカップルに地域住民が寄付 式の「やり直し」支援 」の続報。2014年10月11日、このカップルがたくさんの人に祝福されつつ無事「やり直し」の式を挙げました。

詳細は以下。

Grooms cheered at Coronado do-over wedding | UTSanDiego.com

オスカー・デ・ラス・サラス(Oscar De Las Salas)さんとゲイリー・ジャクソン(Gary Jackson)さんは米国アリゾナ州のゲイカップル。ふたりがカリフォルニア州コロナドのセンテニアル・パークで最初の結婚式を挙げたのは、8月17日のこと。家族と友人計27人だけの、小さな式だったそうです。しかしながら、公園近くのコンドミニアムのバルコニーからわざわざ「ホモは帰れ」「オカマ」などと罵声を飛ばした人がいたため、せっかくの式は台無しになりました。

そこからの町の対応がすごかったね。市からもコンドミニアムのオーナー協会からも謝罪が入るし、警察もヘイトクライムの可能性ありとして調査に入るし、町の人々は「うちの町がこんなところだと思ってほしくない」と寄付を集めて「やり直し」の結婚式を企画。リゾートホテルやレストラン、ケーキ店などの協力で、あっという間に数百人規模の式ができる体勢が整ってしまいました。

で、10月11日に、満を持して2度目の式がおこなわれたわけです。写真はこちら。

この「やり直し」の式の発案者は、弁護士のアリサ・カー(Alisa Kerr)さんはじめ4人の若い女性たちでした。

「これは宣伝や同性婚にまつわることではないんです」カーはやり直しの式を計画した理由について語った。「これは人には親切にするということであって、コロナドの住人が通常やっていることだと思います」

“It’s not about publicity or gay marriage,” Kerr said about why she organized the renewal of vows. “It’s about being kind to everyone, which I think Coronado residents generally demonstrate.”

この式には300人以上が集まり、そのほとんどが何らかの寄付や助力を提供した人でした。

「わたしがここに来たのは、この状況を好転させようと彼女たちが創り出したシナジー(相乗効果)のおかげです」妻と共にパーティーに参加したロブ・クレンショーは言った。「結婚式は人生でいちばん幸福なイベントのはずですからね」

“I came because of the synergy they created with the attempt to turn this around,” said Rob Crenshaw, who brought his wife, Laura, to the party. “A wedding is supposed to be the happiest event of your life.”

米ハフィントンポストは、ゲイリー・ジャクソンさんの声をこんな風に伝えています。

「このこと(8月の結婚式でのこと)がコロナドのコミュニティじゅうのこんなにたくさんの人たちに影響を及ぼすなんて、思ってもみませんでした。――本当に感動しました」

"We had no idea the impact that this had on so many people across their community - and we were sincerely touched."

なお、式の規模が大きくなったおかげで、このカップルが8月の式には呼べなかった友人25人も新たに呼ぶことができたそうです。結果として、「終わりよければすべてよし」ってことでしょうか。

何によらず、差別や罵声を完全にゼロにするのって難しいと思うんですよ。でも、ネガティブなことを上回る「良いこと」を巻き起こして対抗/圧倒することはできる。それを示してくれたのがこのコロナドの人たちであり、これはかつてロックバンド「パニック・アット・ザ・ディスコ」やマサチューセッツ州セイラム市長がやったことともちょっと似ていると思いました。こういうやり方、あたしは好きです。