シカゴ大学とUCLAウィリアムズ・インスティテュートのシンクタンクとの研究で、ここ20年の間に、世界中で同性愛者の受容が進んでいるという結果が得られたそうです。平均すると1年に約1%ずつの割合で受容度が上がっているとのこと。
詳細は以下。
Survey Finds The World Hates Gay People Less Than Ever Before / Queerty
この研究では、1981年以降に計51ヶ国で実施された、ゲイやレズビアンに対する態度についての何百もの調査結果が調べられたとのこと。結果として、世界の約9割の国々で同性愛への受容度が高まりつつある傾向が観察されたのだそうです。地域別に見ると現在もっとも受け入れが進んでいるのは北西ヨーロッパで、続きはこんな順番になります。
- オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、米国
- 南ヨーロッパ
- ラテンアメリカ
- 旧ソ連国、東&中央ヨーロッパ
- アジア
- アフリカ
- イスラム教国の大多数
……アジアはケツから3番目ですか。さもありなん。実際、「新聞が同性愛者を殺せと煽るウガンダよりはマシだけど、シビルパートナーシップ法ができたエストニアよりは遅れてる」って位置づけだと思いますし。
ためしにこの研究の論文を"Japan"で検索してみたところ、以下のような記述が見つかりました。
仏教国である2ヶ国(日本と台湾)および韓国では、プロテスタントの国々よりも同性間セックスへの印象が悪く、オッズ比はそれぞれ0.09と0.17であった。
Both Buddhist countries (Japan and Taiwan) and South Korea had less fa- vorable views of same-gender sex relative to Protestant countries with odds ratios of .09 and .17, respectively.
へー。ということは、「日本はキリスト教圏と違ってゲイに寛容」とかいう俗説はなんだか怪しいってことになりますね。あ、ここで「プロテスタントはともかくカトリックは日本よりゲイ嫌いだろう」とか決めつけるのはまだ早いよ。カトリック国のフランスでもスペインでも同性婚は法制化されてるし、ラテンアメリカだって米国よりゲイの権利に進歩的だと言われてますからね。
さて、この研究では他にたとえば以下のようなことがわかったそうです。
- 女性は概して男性の1.5倍以上同性愛者を受け入れやすい傾向にある
- 98%の国で、30歳以下の人は65歳以上の人より「同性間セックスは少しも悪いことではない」と答える傾向が高い
- アフリカのほとんどの国々が、同性愛者の受容という点では世界の下位3分の1に位置づけられる
より詳しくは、下記リンク先から論文全体をどうぞ。