石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

スコットランドで英国初のペイガン(非キリスト教の)同性婚

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2015年1月18日、スコットランドのエジンバラで、同国初のペイガン(キリスト教以前の宗教)の同性婚がおこなわれたそうです。

詳細は以下。

UK holds first official Pagan gay wedding | Gay Star News

まずは写真をどうぞ。

雰囲気ありますねー! Gay Star Newsによると、このアーチ型天井の地下室は16世紀の魔女狩り時代には尋問部屋として使われていたところなんだって。今ではペイガンの伝統にのっとった結婚式場となっているのだそうで、新郎ふたりはここで魔法円を描いてエレメンツを呼び出したり、クウェッシ("quaich")と呼ばれる杯から蜂蜜酒を飲んだり、ほうきを飛びこえたりしたとのこと。

この「ほうきを飛びこえる」("jump the broom")というのがよくわからなかったので検索したところ、日本語Wikipediaの「ジャンピン・ザ・ブルーム」の項目でこんな風に説明されてました。

新婚のカップルは、多くの場合、儀式の終わりにほうきの上を跳び越えたものであった。婚礼の儀式においてほうきの上を跳び越えることは、キリスト教以前のヨーロッパ文化にでも一般的だった。

なるほど、キリスト教以前からある、まさしくペイガンの習慣だったんですね!

英国には約5万人のペイガンがいて、国内でペイガンが法的な結婚を執り行えるのはスコットランドだけなんだそうです。そして、そのスコットランドでは2014年12月から同性婚が解禁されたばかり。ペイガン連盟(The Pagan Federation)の主宰者、ルイーズ・パーク(Louise Park)さんは、「どんな人でも自分の信じる神々、友人、家族の前で結婚の誓いをたてられるようであるべき」とし、英国初のペイガン同性婚の実現に「大喜びしている」と語っているとのこと。

「伝統」という概念はゲイを迫害するときに使われることが多い(米国のキリスト教原理主義者なんて、『同性婚は伝統的家族を破壊する』と判で押したように言い続けてますよね)ので、これだけ古い宗教が伝統的儀式にゲイをあたたかく迎え入れているのって、何か新鮮です。あと何百年かしたら、こうした同性同士の式もごくあたりまえの「伝統」の一部になっているのかも、と思ったりしました。