石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

ネパール、アジア初の同性婚可能国となるか? 委員会が政府に法改正推奨

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ネパールはアジア初の同性婚可能国になるかもしれないと「インディペンデント」が報じています。政府の任で結成された委員会が、同性カップルやその子供を平等に保護するため、同性婚を法で規定するよう勧告したのだそうです。

詳細は以下。

Nepal set to become the first south Asian country to legalise same-sex marriage - Asia - World - The Independent

ネパール最高裁は2007年、政府に対し、現行法を改正し、LGBTIのネパール市民の権利を保障するよう命じています。裁判所はまた、同性婚法に関する調査の必要性についても強調。これを受け、政府は2009年に同性婚の検討委員会を設置。Laxmi Raj Pathak元健康・人口省長官率いるこの委員会が、2015年2月9日、同国政府は「明らかな国際的潮流」(“positive international trends”)に従って平等な結婚を保証し、性的少数者に対して差別的な法を改めるべきであるとする報告を提出したのだそうです。

以下、ロイターから引用。

「彼ら(同性カップル)は年金その他の給付や相続の資格が得られ、政府機関で結婚を登録でき、親の財産を受け取れるようになるでしょう」委員会のメンバーで人権問題専門の弁護士、Hari Phuyalはトムソン・ロイター社に語った。

"They (same-sex couples) will be entitled to pension or any other benefits, inheritance, can register their marriage with government agencies, can receive parental property," human rights lawyer Hari Phuyal, a panel member, told the Thomson Reuters Foundation.

もしこの勧告が受け入れられれば、ネパールはアジアで初めて同性婚を法制化した国となる可能性があります。ただし、現時点では連立与党も野党も、この勧告を支持するか否かについてコメントしていないとのこと。

ネパールはオープンリー・ゲイの国会議員もいれば、国勢調査やパスポートに「第3の性」(サード・ジェンダー)の項目を加えたりもしていて、アジアの中では比較的性的少数者の権利への取り組みに前向きな印象があります。観光客向けの、象の背中に乗って同性結婚式ができるツアーなんてのまであるぐらいですが、それより何より市井のそのへんの性的少数者が法によって守られることの方が大事だと思うので、今回の動きには拍手を贈りたいです。

あと今回の勧告で見過ごしてはならないのは、これが別に同性婚だけの話ではないこと。委員会は性的少数者に差別的な刑法・民法を改めるべきとしていますが、これは同国法務省が(最高裁の命令をくつがえしてまで)LGBTな関係を再び犯罪扱いしようとしていることへの牽制なんじゃないかな。そのあたりも含めて、今後の動向が見逃せないニュースだと思いました。