石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

Facebook、プロフィールのジェンダー設定に自由記述オプションを提供(米国英語版のみ)

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SNS大手のFacebookが、米国英語版のユーザープロフィール設定ページの「カスタムジェンダー」を自由記述式にしたと発表しました。つまり、あらかじめ用意された選択肢の中からドロップダウンで選ばなくてよくなるんです。

詳細は以下。

Facebook introduces ‘infinite’ gender options · PinkNews

Facebookは昨年2月、プロフィール設定に「カスタムジェンダー」方式を取り入れ、ドロップダウンで選べる選択肢を50種類以上用意したことで話題を呼びました。今回の改訂は、それをさらに一歩進めたものです。設定画面は以下のようになるみたい。

以下、Facebook Diversityの公式声明より引用。

今では、あらかじめ用意された性自認のリストに当てはまらなければ、自分自身の性自認を書き加えることができます。これまでと同じく、ジェンダーを示す語を最大10個まで付け加えることができ、カスタムジェンダーを表示したい相手を選ぶこともできます。わたしたちは、本当のジェンダーをオープンにすることが困難な人がいると認識しておりますが、この設定により、本当の自分を表現することが可能になります。

Now, if you do not identify with the pre-populated list of gender identities, you are able to add your own. As before, you can add up to ten gender terms and also have the ability to control the audience with whom you would like to share your custom gender. We recognize that some people face challenges sharing their true gender identity with others, and this setting gives people the ability to express themselves in an authentic way.

どれだけ選択肢を増やしても、それですべての人をカバーするということは不可能なので、こうした試みは評価されていいんじゃないかと。だいたいジェンダーのみならず、セックス(『生物学的な性』とされるもの)ですら実は社会的にかたちづくられた概念であって(外性器も性染色体も性腺も、科学的に厳密に調べれば調べるほどさまざまなバリエーションがあり、素朴な男女二元論で把握しきれるものではありません)、絶対的な線引きにはなり得ないんですからね。ドロップダウン方式には限界がありますよ、やっぱり。

ちなみに上記の公式声明につけられていたコメントを見る限り、今回の改訂でジェンダーの表現の幅が事実上無限大になった一方、性的指向の選択肢はいまだ"Interested in men/women"(男性/女性に興味あり)しかないという指摘があるようです。これもそろそろ自由記述式にしちゃってもいいんじゃないでしょうかね。「性別」なるものが(生物学的性でさえ)実は相当あいまいなものでしかない以上、性的指向だって、既製の選択肢だけで説明しきれるわけはないんですし。