石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

トランスフォビックな「トイレ法」にNOを! 自撮り写真をソーシャルメディアに上げるキャンペーン

Washroom
Washroom / lenifuzhead

最近カナダと米国で、トランスジェンダーの人々が性自認通りの公衆トイレを使うことを違法化しようとする動きが起こっています。これに抗議するトランスジェンダーの人々が、トイレで自撮りした写真をSNSに上げるキャンペーンを始めました。

詳細は以下。

Trans People Are Protesting Discriminatory Bathroom Laws On Social Media

最初にこれを始めたのは、カナダ人のトランス女性Brae Carnesさん。同国のドナルド・プレット上院議員が提出した、トランスジェンダーの女性が女性用トイレを使うことを禁じる法案に反対するため、敢えて男子トイレで撮ったこんな写真をネットに上げたんでした。

Facebookに掲載された写真では、彼女は男子トイレの中で"PLETT PUTS ME HERE"(プレットのせいでここにいる)と書かれたボール紙をかかげています。この言葉をハッシュタグ「#PlettPutMeHere」にして、他のトランスジェンダー女性も次々にセルフィーを投稿。

「どうしてプレットは私をここにいさせたの? 自分の娘でも同じことをさせる?」

「プレットがトイレでのトランスジェンダーへの保護をやめさせるせいで、わたしはここにいます」

トランスジェンダーの男性たちも負けてはいません。米国ミネソタ州のMichael Hughesさんは、「#wejustneedtopee」(単におしっこする必要があるだけだ)というハッシュタグをつけて、こんな写真を投下。

写真に添えられた文章をざっと訳すと、こんなです。

女性用設備を使う人に見えますか? 共和党員たちは、生まれたときに割り振られたジェンダーを根拠としてわたしをここにいさせる法律を成立させようとしています。トランスジェンダーの人々がトイレに入るのは、あなたのことをこっそりのぞくためでも、あなたに危害を加えるためでもありません。単におしっこする必要があるだけ(#wejustneedtopee)です。

Do I look like I belong in a women's facilities? Republicans are trying to get legislation passed that would put me there, based on my gender at birth. Trans people aren't going into the bathroom to spy on you, or otherwise cause you harm, #wejustneedtopee.

ミネソタ州では、性別を「染色体で遺伝的に決定され、また出生児に解剖学的に判断された、男女の生理的状態」によって決まるとする法案「SF 1543」が上院に提出されたばかり。もしこの法案が通れば、公立学校でトランスジェンダーが性自認通りのトイレ等を使うことはすべて禁止となってしまいます。Hughesさんはそれに対して抗議しているわけ。

Hughesさんの別の写真はこちら。「わたしはミネソタ州のSF 1543のせいでここにいます」。

やっぱり公共の設備はできるかぎりジェンダー・ニュートラルなものを増やして行く方向がいいんじゃないかなあ。だいたいトイレなんて、大昔は屋外の臭い掘っ立て小屋だったり、国によってはその掘っ立て小屋すらなくて排泄物を窓から投げ捨てたりしてたわけでしょう? それが今は建物の中にあって、しかも水洗で、贅沢にもオートフラッシュだの暖房便座だの殺菌灯つきハンドドライヤーだのまで備えてたりするんだからさー、たかがジェンダー・ニュートラルな(そして、安全な)トイレぐらい作れないはずはないと思うの。人類の叡智はそっちの方向に使うべきであって、トランスフォビアを正当化するために染色体まで持ち出すのはアホでしかないとあたしは思ってます。設備を人間に合わせりゃいいのよ、人間を強引に設備に合わせさせるんじゃなくて。