これまで同性愛に批判的だった米国ミシガン州の牧師マシュー・マケラ(Matthew Makela)師が、ゲイ用出会いアプリ「Grindr」でのチャットや写真のスクリーンショットを晒され、辞職しました。
詳細は以下。
EXCLUSIVE: Grindr Screenshots Reveal Antigay Pastor Is A Top Who Likes To Cuddle / Queerty
上記リンク先に掲載されたスクリーンショットを見るに、この牧師さん、トランクス一丁での自撮り写真などをチャット相手に送り、しきりに相手の写真も見たがっています。会話部分は「裸でセックスするのが大好き」「オーラルやマッサージも」「自分はタチ」」「抱き合ってイチャイチャするのも大好き」など、かなり赤裸々。
問題なのはマケラ氏がこれまで同性愛を「罪」と呼び、アルコール依存になぞらえて非難したり、トランスジェンダーの権利運動を「倒錯者が子供達を食い物にするのを手助けしようとしている」と批判したりしていたということ。つまり、「アンチLGBTなクロゼット・ゲイ」という、陳腐すぎてあくびが出そうなパターンの人だったわけですね。
Queertyは皮肉たっぷりにこう書いています。
我々は幾度となく目撃してきた。日々ゲイの権利に反対しつつ、夜にはネコを求めて男漁りする議員だの、ゲイ治療活動家でありながら、自分自身は他の人に信じさせたがっているほどに治療できてはいない者だの。
We’ve seen it time and time again. The lawmaker who spends his days fighting against gay rights and his nights cruising for bottoms, or the ex-gay activist who isn’t quite as ex-gay as he’d like everyone to believe.
上記の「ネコを求めて男漁りする議員」というのは、2015年4月にやはりGrindrの使用からゲイバレしたRandy Boehning氏(ユーザー名は"Top Man"、つまり『タチ男』だったそうです)のこと。自分自身がゲイな「ゲイ治療活動家」というのはマット・ムーア(Matt Moore)氏のことで、この人もまたGrindrの使用がもとでアウティングされています。こんなんばっかりですね、アメリカ。
こういう人たちもホモフォビアの犠牲者と言ってしまえばそれまでですが、「自分がホモフォビアに苦しめられているから、自分以外のゲイを迫害してヘテロぶる」という行為が、どこまで許容されるのかについては難しいものがあるかと。たとえばの話、「学校でAくんをボコボコに殴っていたBくんは、実は家で親からボコボコに殴られていました」という事実があったとして、だからと言ってAくんが受けた被害がチャラになるってものでもないでしょ。それと似たような話だと思うんだよなあ。
マケラ氏はこれらのスクリーンショットを本物と認めたものの、コメントは拒否し、聖ヨハネルーテル派教会(St. John’s Lutheran Church)での職を辞任しました。同教会は宗徒に向け、ネット上のマケラ氏に関する記事を読まないようにと求める公開書簡をWebに発表しましたが、現在ではそのWebページは読めなくなっています。こういうお笑い宗教劇場がなくなるのは、いったいいつの日になることか。21世紀中には無理なんじゃないかと、あたしは思ってますけど。