同性愛者と炭鉱労働者の連帯を描く英コメディ映画『パレードへようこそ』の、ロシア全土での公開が決定しました。あの「同性愛宣伝禁止法(反同性愛法)」があるロシアで、よくぞ。なおレイティングは「過激な表現あり」(explicit)だそうです。
詳細は以下。
Pride to be released in Russia despite anti-gay laws · PinkNews
配給を手がけるのは、2015年3月に同国で創設されたばかりの独立系配給会社「アートハウス」。まずは同社のInstagramをごらんください。
露→英にGoogle翻訳してみた限りでは、キャプションの意味は「ラディカルな英コメディ『パレードへようこそ』の楽しいポスターが、この作品を今日から上映する映画館を飾っています!」かな?
ポスターがロシア語版になっている(当たり前ですが)ところに、今さらながらちょっとドキドキ。だって、ロシアだよ? 今年5月のモスクワ・プライドでまたしても参加者が襲われ、かつ逮捕され、8月にもLGBT活動家が逮捕され、男2人で手をつないで歩くだけで見知らぬ人から暴力をふるわれる、あのロシアよ?
しかしながら、同国の「同性愛宣伝禁止法(反同性愛法)」はあくまで未成年者への同性愛のプロパガンダを禁じるものなので、レイティングで大人向けということにしてしまえば上映自体は可能だということなのかもしれません。願わくば、ロシアでこの作品を上映する映画館や、映画を観に行った人が、ゆえなき暴力にさらされたりしませんよう。
『パレードへようこそ』は、80年代の英国の実話にもとづく作品。サッチャー政権下で苦闘するウェールズの炭鉱労働者と、それを助けようと頑張るレズビアン&ゲイ団体の間に、誤解や偏見を乗り越えた友情が生まれるという物語です。笑いあり涙ありのとてもいい映画なので、これでひとりでも多くの人が見てくれるといいな。