石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

小説版『スター・ウォーズ』作者がホモフォビックなファンを一刀両断

Aftermath: Star Wars: Journey to The Force Awakens

SF映画『スター・ウォーズ』のスピンオフ小説『Aftermath』の著者、チャック・ウェンディグ(Chuck Wendig)氏が、シリーズに同性愛者の主要キャラクタが加わったことに文句を言う人々に痛快な返事を叩きつけています。

詳細は以下。

Star Wars writer issues epic response to homophobic critics · PinkNews

この小説(『Aftermath: Star Wars: Journey to Star Wars: The Force Awakens』)は、2015年9月5日に出版されたばかりの新作。作中に同性愛者のキャラが3人いるとのことで、それを良く思わない人もおり、たとえばGeorgio Alfaniなる人物は米Amazonで以下のようなカスタマーズレビューを書いています。

この本には同性愛者のキャラクタが3人いて、無理に話の中に入れたように見える。ディズニーは我々にむりやり多様性を押し付けていて、信じることの保留を許してくれない、というのは強制されてる感じがするからだ。(中略)こんなにたくさん同性愛者のキャラを入れるのも好きじゃない、なぜなら自分は個人的に同性愛はノーマルじゃないと思っているから。男色はノーマルじゃないし、こういうライフスタイルを受け入れさせようとするリベラルなメディアにはうんざりだ。

This book includes 3 gay characters that feel so forced into the story. Disney is stuffing diversity down our throats and it's taking me out of my suspension of believe because it feels forced... I also don't like the inclusion of so many gay charcters becuase my personal opinion is that homosexuality is not normal; sodomy is not normal and I am tired of the liberal media trying to make me accept this lifestyle.

こうした意見に対し、ウェンディグ氏がブログで書いたレスポンスはこちら。

もし本の中に同性愛者のキャラクタや、同性愛者の主人公を配置したことできみたちが怒っているのだとしたら、きみたちにあげられるものは何もない。悪いな、ガーガーと不平を言うソーリアン(訳注:爬虫類型の非ヒューマノイド種族のこと)たちよ――隕石が来るんだよ。その隕石はファビュラスにゲイゲイしいニャンキャット隕石で、レインボーの尾がついていて、きみたちの思考様式を絶滅させるんだ。きみらは反乱同盟軍じゃない。善良な側じゃないんだ。きみらはファッキンな帝国なんだよ、おい。愚劣で、圧制的な、全体主義の帝国なんだ。もしきみたちが、同性愛者が自分の周りにいるという理由でルーク・スカイウォーカーがイライラするような世界を想像し得るのだとしたら、スター・ウォーズの肝心な部分を完全に見失ってるんだ。

if you’re upset because I put gay characters and a gay protagonist in the book, I got nothing for you. Sorry, you squawking saurian — meteor’s coming. And it’s a fabulously gay Nyan Cat meteor with a rainbow trailing behind it and your mode of thought will be extinct. You’re not the Rebel Alliance. You’re not the good guys. You’re the fucking Empire, man. You’re the shitty, oppressive, totalitarian Empire. If you can imagine a world where Luke Skywalker would be irritated that there were gay people around him, you completely missed the point of Star Wars.

お見事の一言。

そもそもあれだけいろんな星のいろんなエイリアンが出てくるSF世界で、キャラが全員おしなべて異性愛者であってしかるべきと思い込むだなんて、発想が貧困すぎるというものです。まさかと思うけど、エンドアのイーウォックたちや、タトゥイーンのジャワたちや、ナブーのグンガン人たちが全員異性愛者だなんて設定あった? なかったでしょ。だいたい、地球上の生物だけでも実に多種多様な性行動があるのに、そのうちのたかが1種族にすぎない人間の、それも異性愛者の好みにかなったふるまいだけが宇宙で唯一の「正しいあり方」だと思える方がおかしいわ。

上記のレビュワー氏はあたかも自分が多様性を押し付けられる被害者であるかのようにふるまっていますが、実際には自分が世界に無理やり単一性を押し付けようとしているだけ。そして、大昔と違ってそれがどんどんかなわなくなりつつあることに怯え、イラついているだけ。そんな考え方、それこそニャンキャット隕石に突っ込まれて滅びてしまえと思います。

あ、ちなみにニャンキャットというのはこれのことです。たしかに尻尾がファビュラス。