石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

米デューク大でゲイ学生殺害脅迫の落書き 学生らが抗議集会

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米国デューク大学の学生寮で2015年11月5日、廊下の壁にゲイの1年生男子生徒に対する殺害の脅しが黒いマジックペンで落書きされているのが発見されました。落書きにはホモフォビックな語が含まれ、翌日約250人の学生が抗議集会を開きました。

詳細は以下。

Death threat including homophobic slur found on first floor of East Residence Hall | The Chronicle

落書きの映像はこちら。

右上の黒い長方形で隠された部分には男性同性愛者を意味する侮蔑語が入っており、全体の意味は「すべてのホ◯野郎に死を @ジャック」となります。ジャックとは、同大学1年生でゲイとしてカミングアウトしているジャック・ドナヒュー(Jack Donahue)さんのこと。

この落書きが発見されたのは木曜日午前3時頃。同大学の政府関係及び広報部長(vice president for government relations and public affairs)のマイケル・ショーンフェルド(Michael Schoenfeld)氏は、「デューク大学はいつどこで起こったことであろうと不寛容は許さない」との声明を発表しています。学生たちは金曜日にこの落書きへの抗議集会を開き、約250人が参加しました。下の動画と写真でスピーカーを手に喋っているのが、ドナヒューさんです。

なお警察は現在この事件を捜査中で、犯人特定のため寮のキーカードの情報などを調べているとのこと。

落書き事件が起こってしまったこと自体は残念ですが、その後の大学と学生たちの対応の迅速さ・的確さには拍手を贈りたいと思います。なんでも寮の学生たちは、事件発覚後すぐドナヒューさんに支援の手を差し伸べ、壁の落書きも自分達で消そうとして、木曜の午後には落書きはもうなくなっていたんだそうですよ。偉い。

デューク大学の図書館では折しも昨年、同大学での過去50年間のクィアの歴史を振り返る、「デュークの歴史をクィアする」("Queering Duke History")という展示がおこなわれたばかり。キャンパスのLGBTQが逮捕・追放されていた1960年代からクィア・コミュニティーが隆盛を誇る現在まで至る道は容易なものではなかったと同図書館のWebサイトにはありますが、今回の件を見る限り、先人の築き上げてきたものは、ちゃんと現役の学生たちの中に受け継がれているようですね。こういう若者たちが卒業後、世の中をさらに良い方向に変えていってくれるよう願ってやみません。