石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

ユーロヴィジョン初のレズビアン・キス歌手が2016年の参戦表明

On & Off

欧州最大の国別対抗ポップ音楽コンテスト「ユーロヴィジョン」で2013年、同イベント初のレズビアン・キスを披露したフィンランド人歌手が、2016年のユーロヴィジョンに再度参加する意向を示しました。

詳細は以下。

Singer who made equal marriage protest at Eurovision is planning a second try · PinkNews

この歌手、クリスタ・シークフリーズ(Krista Siegfrids)は、2013年のフィンランド代表としてユーロヴィジョンに参加。決勝戦でウエディング・ソングの「Marry Me」を歌い、女性バックダンサーとキスしたことで大いに話題になりました。

そのときのキスシーンはこちら。

「Marry Me」のパフォーマンス全体はこちら。抜き打ちのキスではなく、女性同士でマイク片手にしっかり見つめ合ってからキスしている(3:04~)ことがわかると思います。

クリスタは、このキスはフィンランド議会が2012年に同性婚法案を否決したことに対する抗議だと事前に話していました。「生放送だから誰にも止められない」とも。これにより、トルコが決勝戦の生中継そのものを中止したり、中国が録画放映時にキスシーンをカットするという騒ぎとなりました。なおフィンランド本国では2014年、ジェンダーを問わず結婚を認めるとする法案が議会を通過大統領の署名も得て、この法律は2017年3月1日に発効する予定となっています。

このクリスタ・シークフリーズが、2015年11月29日、今度はお隣のスウェーデンから2016年のユーロヴィジョンを目指すと発表したのだそうです。ユーロヴィジョンのスウェーデン代表に選ばれるためには、国内のコンテスト「Melodifestivalen」で勝つ必要があり、クリスタはまずそれに参戦する予定だとのこと。曲目は「Faller」といい、愛に関する曲だとのみ発表されているとの由。

ユーロヴィジョンでは政治的なジェスチャーや歌詞は禁止されており、クリスタの「Marry Me」は果たして政治的か否かとしてずいぶん話題になりました。クリスタ本人はこれは政治的な歌ではないと言っていて、自分もそう思います。あえて言うなら、男女の愛の表現には何も言わない一方で、同性同士だと途端に問題視し始めるという二重基準こそが「政治的」なのでは。「クリスタが無事勝ち上がって来年のユーロヴィジョンでもまた何かしてくれないかしら」と、今から期待しています。