石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

クィア女性によるTEDトーク2015ベスト5(by same same)

TEDトーク 世界最高のプレゼン術

same sameの、「クィア女性によるTEDトーク2015ベスト5」(5 best TED talks of 2015 by queer women)という特集がたいへん面白かったです。見逃してたやつ、いっぱいあったわ!

詳細は以下。

5 best TED talks of 2015 by queer women

上記リンク先で紹介されているTEDトーク5本へのリンクと、それぞれの内容をざっとまとめてみました。タイトルが日本語になっているものは、日本語字幕付きで見ることができます。

  1. Jenni Chang and Lisa Dazols: This is what LGBT life is like around the world | TED Talk | TED.com
    • 台湾系レズビアンのジェニー・チャン(Jenni Chang)さんと、ソーシャルワーカーのリサ・ダゾルズ(Lisa Dazols)さんがドキュメンタリー撮影で出会った、西洋以外の「スーパー・ゲイ」たちの話。「平等は西洋の発明品ではありません」というチャンさんのことばが胸を打ちます。また、家父長制が強固なインドのアクティヴィストたちの言う、「エンパワメントはジェンダーの平等から始まる」「ジェンダーの平等によって、LGBTの平等もまた認められる」という意見は日本にもそのまま当てはまりそうだと思いました。
  2. ビリー・ジーン・キング: 伝説のテニス選手が切り拓いた女子スポーツの道 | TED Talk | TED.com
    • テニス界にまだ男女の賃金格差があった時代におこなわれた「男女対抗試合」が社会に与えたインパクトや、「タイトル・ナイン」(教育法第9編)が平等の実現に果たした役割などについて語り、社会的公正の大切さを訴えるプレゼンテーション。率直で茶目っ気のあるキング夫人の話しぶりが魅力です。同性愛の話題もごくあたりまえに出てきます。
  3. マーティーン・ロスブラット: 我が娘、妻、ロボット、そして永遠の生の追求 | TED Talk | TED.com
    • トランスジェンダー女性で実業家のマーティーン・ロスブラット氏が、創造と可能性について話すプレゼンテーション。ジェンダーの流動性についての話もさることながら、不可能と言われた肺高血圧症の開発、そして「マインド・クローン」を使った永遠の生やデジタル分身の話がとても面白いです。現実と推論の境目を飛びこえて未来を切り開いていくのは、こういう人なんだろうなあ。
  4. モルガナ・ベイリー: 本当の自分を隠すことの危険性 | TED Talk | TED.com
    • 米大手金融会社ステート・ストリートのバイスプレジデント、モルガナ・ベイリー氏が、16年間の沈黙を破ってレズビアンとしてカミングアウトするTEDトーク。「ゲイ、レズビアン、両性愛者が社会に受け入れられずアンチゲイな社会で生きた場合、12年寿命が縮まる」(出典)という指摘が胸に刺さる刺さる。最後の方に出てくる、トニ・モリソンの著書からの引用も、ぐっときました。今後「同性愛者は黙って隠れていろ」と主張する人に出くわしたら、このプレゼンテーションを紹介してみようと思います。
  5. Watch "LGBT issues of faith – musical performance and talk | Jennifer Knapp | TEDxUniversityofNevada" Video at TEDxTalks
    • 2010年にカミングアウトしたカントリー歌手、ジェニファー・ナップが、レズビアンのクリスチャンであることについて語るTEDxトーク。初めて同性愛者としてクリスチャンの観衆の前で歌ったとき「靴を投げつけられるんじゃないか」と緊張した話や、米国人の約60パーセントしかLGBTの人びとを受け入れていないという統計結果を踏まえて彼女が語るホモフォビア解決法は、(1)自分が偏見を持っている相手との距離を縮めること、(2)誰かが人を傷つけるような発言したとき沈黙しないこと、(3)自分自身を教育すること。どれも本当にうなずけることばかり。

TEDトークはネットでも、そしてNHK Eテレの『スーパープレゼンテーション』でも結構見ていたはずなんですが、上記のうち見た記憶があるのは1と2だけでした。この機会に3~5も見られてよかったです。

余談ですが、2015年以外で、そして女性以外のプレゼンターも含めてLGBTテーマのTEDトーク(日本語字幕付き)を選ぶなら、個人的なおすすめは以下の4本。どれも面白いよ! 上の方でジェニファー・ナップが言っている、「自分自身を教育すること」というのは、こういうのを見るところから初めてもいいんじゃないかと思います。