米国ノースカロライナ州のピザレストラン「ピュア・ピザ」(Pure Pizza)が店内のユニセックストイレに貼っている貼り紙がすばらしいと、Facebookで話題になっています。
詳細は以下。
Restaurant's note in a unisex bathroom goes viral
貼り紙の内容はこんなです。
ジェンダー別のトイレは時として困った事態を招くため、当店ではユニセックスのトイレを設置しています。
わたしたちに会いに来てくれる友人はたくさんいるので、以下のような友人のための場所を提供したいと思ったのです。
- 娘連れのシングルファーザーたち
- 息子連れのシングルマザーたち
- 障害のある子ども連れの親たち
- LGBTQコミュニティに属する人たち
- 精神/身体障害があるかもしれない高齢の親を連れた成人たち
すべての人にとって安心できる環境が提供できるようご協力くださり、ありがとうございます。
We have a UniSex bathroom because sometimes gender specific toilets put others into uncomfortable situations.
And since we have a lot of our friends coming to see us, we wanted to provide a place for our friends who are:
- Single Dads with daughters
- Single Moms with sons
- Parents with disabled children
- Those in the LGBTQ community
- Adults with aging parents who may be mentally/physically disabled
Thank you for helping us to provide a safe environment for everyone.
店主のJuli Ghaziさんによれば、店のお客さんや地域の人びとからの反応は「とても、とても肯定的」だとのこと。ちなみにこの貼り紙をしたのは、障害がある10代の息子さんを連れた女性客が、ユニセックスなトイレがあると知って涙ぐんでいたのがきっかけなのだそうです。そのお客さんは、思春期の男の子を連れて女性用トイレに入るのは気詰まりだとGhaziさんに話してくれたとのこと、以下、Ghaziさんのことば。
わたしがいくつかの例を(トイレの貼り紙の文章に)挙げたのは、ジェンダー・ニュートラルなトイレがなぜしばしば必要なのかということについて気づいてもらうためなんです。
"The reason I listed several instances [in the letter hanging in the bathroom] is to bring awareness to why gender neutral restrooms are often necessary.
この貼り紙の視点はとても大事だと思いました。ジェンダー・ニュートラルの、またはユニセックスのトイレの必要性については「シスヘテロからLGBT(Q)への配慮の問題である」と解釈してしまう人がまだまだ多そうな気がするのですが、実際には、
- ジェンダー別のトイレでも何ひとつ困ってないLGBT(Q)の人もいる
- ジェンダー別のトイレで大いに困っているシスヘテロの人もいる
というのが現状だと思うんですよね。トイレ問題を性的マイノリティ「だけ」の話に落とし込んでしまうと、さまざまな人のニーズが見えにくくなり(だれでもいつなんどき介護・介助の当事者になってもおかしくないのにね)、結果として困っている人が取り残されてしまう可能性があると思います。この貼り紙のような考え方は、もっともっと広く共有される必要があるのでは。