昨年テキサス州で最初に同性婚した女性同士のカップルが、2016年2月19日、初めての結婚記念日を迎えました。同州で同性婚が合法となったのは2015年6月ですが、ふたりはその約4ヶ月前に結婚しています。ちょっとした事情があったからです。
詳細は以下。
映像はこちら。動画内の「2-19 2016」と書かれたタッパーウェアに入っているのは、この日に食べるために保存しておいたウエディングケーキの一切れだそうです。
このふたり、サラ・グッドフレンド(Sarah Goodfriend)さんとスザンヌ・ブライアント(Suzanne Bryant)さんが他のカップルより一足早く結婚することができたのは、健康上の理由から。グッドフレンドさんは卵巣がんを患っていたんです。トラヴィス郡地方裁判所のデイヴィッド・ウォルバーグ(David Wahlberg)判事は、郡が彼女らに結婚許可証を発行しないのは合衆国憲法違反であるという判断をくだし、ふたりは特例的に2015年2月19日に許可証を手にすることができました。
結婚式の写真はこちら。ふたりは30年間以上連れ添ったカップルで、両脇に立っているのは娘さんたちです。
This lesbian couple just got married! In TEXAS! http://t.co/fKzOK1YuHD pic.twitter.com/smWY2rc38I
— Autostraddle (@autostraddle) 2015, 2月 19
この日のブライアントさんのコメントがいいんですよ。「うちの子、(結婚式のために)歴史の授業に出られないって心配してたんですよ。わたしたちが歴史をつくるのよと言ってやりました」だって。ははは。
幸いなことに、グッドフレンドさんの身体の中にはもうがんはないそうです。上に貼った動画の中で、ふたりは自分たちの結婚について以下のように話しています。
「わたしたちは他の人々に希望を与えることができました。わたしたちの結婚証明書と一緒に写真を撮りたがる人がたくさんいました。みんな、自分の結婚許可証が欲しかったんですよ」とサラ・グッドフレンドは語った。
"We were able to give people hope. There were so many people that wanted pictures with our certificates and it's because they wanted one of their own," said Sarah Goodfriend
「この人がわたしの妻だと人に言えるようになりました」と、スザンヌ・ブライアントは言った。「レンタカーを借りるときも、病院でも、自分たちの関係を言うときには、彼女がわたしの妻ですとね」。
"I have learned to say to people this is my wife," said Suzanne Bryant, "Whether it's renting a car, a hospital, so say what is your relationship, to say she is my wife."
テキサス州では、2015年6月に連邦最高裁が全州での同性婚を合法として以来、このふたり以外にもたくさんの同性カップルが結婚しています。しかしその一方、同州イリオン郡では書記官がいまだに同性カップルへの結婚証明書発行を拒んでいます。また米国全体でも、当選したら結婚の平等を阻止するため戦うと誓っている大統領候補が何人もいます。こうした情勢に対するグッドフレンドさんの意見はこちら。
「法を執行する責任がある人に特に言いたいですね。策を弄するのをさっさとやめて、ただ単に法を執行しましょうよと」。
"I especially want to say to those who are in charge of those enforcing the law, come on quit playing politics let's just enforce the law,"
本当にその通りだわ。
こないだのマルコ・ルビオもそうですが、連邦最高裁の判決やそれにともなう法律の変更に「アーアーキコエナイ」状態を決め込んでまでこうしたご家族を不平等に扱おうとしている人たちって、いったい何を考えてるんでしょうかね。テキサス州では実は1972年に男性同士のカップルに結婚証明書が発行されたことがある(だから、厳密に言えばブライアントさんたちは『テキサス州初の』同性婚カップルではないとも言えます)のですが、翌年州議会が同性婚を違法とする法案を可決したため、この婚姻は無効とされてしまっています。21世紀にもなってまた同じ愚が繰り返されないよう、強く望みます。