英国のおもちゃ屋で、ピンク色のベビーカーのおもちゃを欲しがる3歳の男の子に向かって、赤の他人の買い物客が「それは女の子のおもちゃ」と非難しました。このとき男の子が返したことばがすばらしいと話題になっています。
詳細は以下。
This boy with a doll told off a judgemental toy shop customer with just four words · PinkNews
この子のお母さん、リアン・マクラーレン(Rheann MacLaren)さんのFacebookでの説明によると、この日息子さんはおもちゃ屋さんにあった人形用のピンク色のベビーカーが気に入り、大喜びで押して歩いていたのだそうです。ところが、それを見た他の買い物客が眉をひそめ、息子さんに向かってこんなことを言ったとのこと。
「あらそれはダメ、それは女の子だけのもので、男の子用じゃないの! 全部ピンク色で、女の子っぽいでしょ。あっちに車や恐竜があるのに、どうしてそんな女の子らしいものがほしいの?」
"Oh you don't want that, it's just for girls, not boys! It's all pink and girly. There's cars and dinosaurs over there, why would you want that girly thing?!"
マクラーレンさんは何か言い返してやろうと思ったとのことですが、それより先に息子さんが口にした4単語の方が、自分が何か言うより的確だったとのこと。彼はこう言ったんです。
「なぜって、ぼくがそれを好きだから」
"Cos I like it"
そうだよ。それだよ。好きなもん買って遊んで何が悪いんだよ。
結局息子さんはこの日、ベビーカーのおもちゃを無事買ってもらい、大得意で家まで押して帰ったそうです。今後はそのベビーカーに赤ちゃん人形を載せて遊ぶと言っているのだそうで、そう、もともとこの子、お人形のおもちゃを持ってたんです。とは言っても彼は別にお人形でしか遊ばないわけではなく、車や恐竜のおもちゃも大好き、どろんこ遊びも大好きでかつ、ままごとやアイロンごっこやピンク色のものも好きなんだそうです。それについてマクラーレンさんが言っていることがいいんだ、また。
わたしが心配しているかって? いいえ、全然。うちの子はジェンダーの型にはまれという圧力を決して感じることなしに、多才で受容的な子に育つことでしょうよ。
Am I worried? No, not in the slightest. My child will grow up a well rounded, accepting boy who will NEVER feel pressured to conform to gender stereotypes.
いいお母さんだねえ。
思うんだけど、今や「男も家事や育児をするべき」という(そして実際、女だけに家事育児を全部押し付けるライフスタイルはもう限界を迎えつつある)時代なのに、ままごとセットや赤ちゃん人形のようなオモチャをいまだに「女の子向け」扱いするというのは変だよね。だいたい、バービー人形に大統領候補や起業家、消防士など大昔は「男だけのもの」とされていた職業が用意されているこの21世紀に、男の子には旧態依然とした「男の子向け」の遊びしか許さないということ自体がいびつだと思います。たぶんこういう傾向の背後には「男の子にピンク色の/女の子向けのおもちゃで遊ばせるとゲイになる」みたいな迷信があると思うんだけど、そんな迷信のためにいちいち興味や意欲を潰される(そして長じてから今度は『なぜ家事/育児をしないのだ』と非難される)男の子こそいい迷惑だわ。さっさとぶっ壊そうぜ、こんなステレオタイプ。