事業主によるLGBT差別を正当化する州法「HB2」を持つノースカロライナ州に、あるTV番組が「アンチゲイな」フードドラックを派遣。自分自身が「ゲイには食べ物を売れない」と言われたとき、州民たちがどう反応するのかカメラに収めました。
詳細は以下。
'The Daily Show' Set Up an Anti-Gay Food Truck and Shocked North Carolinians: WATCH - Towleroad
動画はこちら。
この番組は、米国のコメディ専門チャンネル「コメディ・セントラル」で放映されている「ザ・デイリー・ショー」。動画冒頭では、ノースカロライナのHB2は(トランスジェンダーの人々のトイレ使用が禁止されるという意味で)別名「トイレ法」と呼ばれていること、この州法があるおかげで事業主がゲイかもしれないと思った客を差別できてしまうことなどが簡単に説明されています。
そこからはフードトラックの映像となり、お店の「スタッフ」たちが客に対してランダムで「ゲイにはサービスを提供しない」と断るところが映し出されていきます。断る理由は本当にむちゃくちゃで、「ライフスタイルの問題」、「ノースカロライナじゃこれがクールだと聞いた」などの他、中にはこんなものまで登場。
「ほら、きみたちゲイの味蕾はストレートなマカロニ・アンド・チーズを味わうようには調整されていないんだ。もっと、こう……洗練された結果、コリアンダーやペニスみたいなものを楽しめるようになってる」
"Look, your gay taste buds aren't even calibrated to enjoy straight mac and cheese. They're more...cultivated, to enjoy things like cilantro and penis."
断られた人々は一様に当惑したり、抗議したりしていて、ナレーションでは皮肉たっぷりにこんなことが言われています。
わお。変なの。この人たち、まるで個人の裁量による差別を嫌ってるみたいじゃないか。
Wow. It's so weird. It's as if people don't like arbitrary discrimination.
差別は本当にむかつくということは明らかだった。そして、この人たちの多くにとって、差別されるのはこれが初めてだったということも。バージンどもめ。
It was clear that discrimination really sucks, and a lot of these people were experiencing it for the first time. Vrgins.
そして、ノースカロライナの人々が特に「個人の裁量による差別」を好んでいるわけではないというのは、どうやら真実らしいんですね。というのは動画の終わりの方で示されるモンマス大学の世論調査によれば、同州の選挙民の70%は「HB2の可決は同州の全国的な評判を下げている」と考えているそうですから。にもかかわらず州政府がHB2を取り下げないため、こんなバカげた差別が合法とされてしまっているのだというわけで、それは変だろうというのがこの番組の主張です。
結局のところ、これって民意よりも宗教の問題なのかもなあ。被差別バージンでしかもゴリッゴリな宗教観に固まってる人たちのせいで、ゲイもヘテロも(そしてそれ以外の人々も)一律でこんなバカげた差別のリスクにさらされているのだとしたら、不合理にもほどがあるわ。いっそHB2に賛成している政治家や宗教指導者の家の前に毎日こういうフードトラックを派遣して、コリアンダーのジョークを浴びせ続けた方がいいんじゃない?