石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

アンチLGBTなマイク・ハッカビー、カントリーミュージック協会財団理事会を24時間でやめる

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アンチLGBTな米保守派政治家マイク・ハッカビー(Mike Huckabee)が、カントリーミュージック協会(Country Music Association, CMA)財団の理事会メンバーとなるも、翌日早くも辞任を表明したそうです。

詳細は以下。

Mike Huckabee resigns from Country Music Association board less than 24 hours after joining / LGBTQ Nation

マイク・ハッカビー(Mike Huckabee)は元アーカンソー州知事で、LGBT差別のほか、人種差別性差別でも悪名高い人。ほら、ケンタッキー州で同性カップルへの結婚証明書発行を拒んで逮捕されたキム・デイヴィス(Kim Davis)書記官を全面的に支援していた、あの政治家ですよ。それで彼女の出所を歓迎する集会で「アイ・オブ・ザ・タイガー」を無許可で流して権利保持者に怒られた人。うちの過去記事だと、以下のエントリあたりに登場しています。

このハッカビーがCMA財団の役員になることに対しては、ミュージシャンやCMAの会員などから激しい非難の声が上がっていたとのこと。一方ハッカビーはこれらの批判を受けて辞任こそしたものの、辞意を表明する手紙では自分の「宗教的または政治的な見解」が原因で「筋の通らないこきおろし」を受けたとか、インターネットでの自分に対する批判は「不寛容で敵意のある」ものだとかいう見解も示しています。何が原因で批判されているのか、よくおわかりになっていないようで。

ハッカビーが辞めたからといって何もかもめでたしめでたしというわけではなく、そもそもなぜ偏見持ちを役員にすることがOKだと思われていたのかが問題だという指摘もあるし、シェリー・ライト(Chely Wright)もFacebookで怒りの公開書簡(ハッカビーは辞職の手紙で子供たちの夢や希望は大事だと書いているが、それならハッカビーのような権力者が神様がどうこう言うせいで自殺まで考える子がどれだけいるか考えろ、という内容)を出しています。それでもやっぱり、たった1日でハッカビーを引っ込めさせられたということで、今日のこちらのエントリに書いたような反差別のバトンはともかく続いているのだと思いました。ハッカビーは自分のWebサイトで、批判を受けてCMAから身を引いたことを「憎悪の勝利」("Hate Wins")と書いて被害者を気取っていますが、憎悪を持っているのが果たして誰なのか、たぶんカントリーミュージック界はわかってると思うよ。