石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

メキシコの同性愛差別チャントに罰金 サッカーW杯

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FIFAが2018年6月20日、サッカーW杯ロシア大会のメキシコ対ドイツ戦でメキシコのサポーターが同性愛者を侮辱するチャントをおこなったとして、メキシコ・フットボール連盟に罰金1万ドルを科したと発表しました。

詳細は以下。

FIFA fines Mexico a meaningless $10k for anti-gay chants - Outsports

簡単に言うと、メキシコのサポーターがドイツのゴールキーパーに対して"puto"(『身体を売る同性愛の男』を意味する軽蔑的な卑語)と連呼したことが問題視され、罰金が科せられたといういきさつなんですが、Outsportsは1万ドルという金額を「ばかばかしいほど取るに足りない額」として批判しています。メキシコはこれまで何度も(メキシコはこれまで4年前のW杯ブラジル大会でも、そしてロシア大会の予備選でも)同じようなチャントをし続けていていて、罰金もこれが初めてではないんだそうです。そこに今さらまたこの程度の罰金を科したところで何になる、というわけ。

Outsportsの主張はこんな。

このふるまいをやめさせる方法はひとつしかない。スタジアムを空っぽにし、メキシコに無観客試合をするよう命じることだ。以上。おしまい。それだけ。

The is only one way to stop this behavior: Clear stadiums and order Mexico to play in front of empty stands. Period. Full stop. That’s it.

確かにそれぐらいやらなければダメだろうなと思うし、厳密に言うと、そこまでやってもまだ差別する人はするんじゃないかとも思います。実際、Jリーグで浦和レッズの人種差別的横断幕による無観客試合(2014年)が実施された後でも、日本のサッカーファンによる人種差別事件は別になくなったりしていません。そして、どこの国の人だろうと、「何をすれば差別にあたるのか」が根本的にわからない人はいつまででも似たようなことを繰り返すことでしょうよ。それでもなお、「どんなチャントをしようと、どこかで誰かが罰金払って終わり」という状態よりはまだ、「ひいきのチームの試合をスタジアムで見られず、応援もできなくなる」という状態の方がお灸としては強力なはず。あんまり本気でゲイ差別をなくそうと思ってないだろ、FIFA。