北アイルランドの首都ベルファストで、IRA(アイルランド共和国軍、カトリック過激派のの非合法武装組織)の落書きを一部だけ残してレインボーカラーで塗りつぶし、意味を変えちゃった人がいます。
詳細は以下。
Hope is essential: IRA graffiti in Belfast painted over with Pride flag - BelfastTelegraph.co.uk
塗りつぶし後の様子はこちら。
Activists have painted over IRA graffiti in west Belfast with the Pride rainbow flag https://t.co/GpYHTEqm3d pic.twitter.com/1TVBoZ54Ol
— Belfast Telegraph (@BelTel) 2018年7月9日
上記ツイート内の写真に写っている腰高のレンガ塀には、もともと"IRA here to stay"(直訳すると『IRAはここに居続ける』)との落書きがされていたのだそうです。現在は"IRA here "の部分が6色のレインボーフラッグで塗りつぶされ、"🏳️🌈 to stay"(プライドの旗はここに居続ける)というメッセージへと改変されています。
この塗り替えを思いついたのは、大学生のスティーヴ・マギン(Stevie Maginn)さん。自分の甥っ子たちが公園に行くたびにこの道を通るので、いずれ彼らがこの落書きについて質問してくるのではないかと思い、それならLGBTのことについて訊いてくれた方がいいと思ったのだそうです。ちなみにマギンさん自身もクィアだとのこと。以下。彼のことば。
「この地域でプライド・フラッグの絵を見るのは、これが初めてだと思います。自分のセクシュアリティーと折り合いをつけるという意味で、地域社会の他の若い人たちがこれを見て希望を持ってくれるとうれしいです」
"I think is the first pride image I have seen in my community. In terms of coming to terms with my own sexuality, I hope it gives other young people in the community hope for themselves."
マギンにさんによれば、今のところこのレインボーカラーの壁は地元住民から「きわめてポジティブな」("overwhelmingly positive")反応をもらっているんだそうです。
BBCによれば、北アイルランドは同性愛者の平等な権利に関してUK中で最悪とILGA(International Lesbian and Gay Association )に評されたところ。同性同士の性行為が合法になるのも遅かった(1982年。イングランドとウェールズはその15年前に合法化)し、同性カップルが養子をとれるようにするのもUKでもっとも遅かった(2013年)し、同性婚はいまだにできません。首都の住人の、ホモフォビックな攻撃を受けたことがある割合(39%)もUKで最高。でもやっぱり、こうやっていろいろ変わって(というか、変えて)いくんだろうなー。