石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

宗教保守、ドラァグクイーンの読み聞かせイベントをした図書館を訴える 米ヒューストン

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米国の宗教保守グループが、テキサス州ヒューストンの図書館の「ドラァグクイーン読み聞かせ会」は自分たちの信教の自由を侵害するものだとして訴訟を起こしました。

詳細は以下。

Houston library sued by anti-gay activists over Drag Queen Story Hour - Houston Chronicle

「ドラァグクイーン読み聞かせ会」("Drag Queen Story Hour"または"Drag Queen Story Time")というのは全米の図書館でよくおこなわれているイベントで、その名の通りドラァグクイーンやドラァグキングが子供たちに絵本の読み聞かせをするというものです。英国にもあります。うちのブログでも、これまで以下のニュースでちょっと触れてます。

2018年10月19日、米国の反LGBT団体が、ヒューストン市がスポンサーとなって公立図書館で同様のイベントを開催したのは信教の自由への侵害だとして訴訟を起こしました。この団体はこれまで結婚の平等に反対したり、トランスジェンダーの人々が性自認通りのトイレを使うことを認めた市条例に反対したりしてきたとのこと。ちなみに原告のひとりは、(同性婚を社会的に認めさせないために)ノートパソコンと結婚する権利を求めて敗訴したあのクリス・セビア(Chris Sevier)氏なのだそうで、どういうグループかはだいたい察しがつきますね。詳しくは以下を。

なお、肝心の読み聞かせイベントの様子はこちら。

こんな平和的なイベントに対して、別に参加を強要されたわけでもない反LGBT団体が「自由が侵害された」と言い出すとは片腹痛いわ。でも、この人たちの思い描く自由とはそもそも「同性愛者に結婚させない自由」や「トランスジェンダーの人々にトイレを使わせない自由」で、つまりは「シスヘテロが非シスヘテロを差別していい特権を持ち続ける自由」なんだろうから、説明しても平行線でしょうね。裁判所にがんばってもらうしか。

なお上記動画の中で、ドラァグクイーンの方はこのイベントの趣旨についてこんな風に話しています。

「わたしみたいな何かに慣れていない子供たちに、そういうのをもっと気楽に見られるようになってもらいましょう。その子たちが学校に行ったりして、今後の人生で何か自分と全然違う存在に出会っても、いじめをするのではなく受け入れられるように」

すばらしいことだと思うんですが、これだと「シスヘテロが非シスヘテロを差別する特権」が切り崩されてしまうから、やっぱりアンチLGBTな宗教保守にとっては都合が悪いのかもしれませんね。やれやれ。