スコットランド保守党党首のルース・デイヴィッドソン(Ruth Davidson)氏が2018年10月26日、赤ちゃんを出産しました。女性パートナーのジェン・ウィルソン(Jen Wilson)さんともども「嬉しく思っている("delighted")」と、氏は話しています。
詳細は以下。
Ruth Davidson gives birth to baby boy - BBC News
デイヴィッドソン氏本人によるツイートはこちらです。
Welcome to the world, little one.
— Ruth Davidson (@RuthDavidsonMSP) 2018年10月26日
Finn Paul Davidson, born today, 10lb 1.5oz.
Know that you are loved. X pic.twitter.com/hjv5XlM7vL
訳:
この世界にようこそ、おちびちゃん。
フィン・ポール・デイヴィッドソン、本日誕生、4578グラム。
愛されてるってわかってね。(キス)
Welcome to the world, little one. Finn Paul Davidson, born today, 10lb 1.5oz. Know that you are loved. X
Yahoo!ニュースによるとデイヴィッドソン氏は体外受精で妊娠したことを2018年4月に公表しており、半年間の出産・育児休暇を取って、来春に政治に復帰する予定だとのこと。
余談だけど、上のツイートにぶらさげてあるこちらのツイートも必見です。
Say, what....?! pic.twitter.com/2GCOt1Uvsq
— Ruth Davidson (@RuthDavidsonMSP) 2018年10月26日
(訳注:『ウィルソンお兄ちゃん』と刺繍されたバンダナを胸に巻かれている犬が)え、今なんて言ったの……!?
Say, what....?!
この犬、「ミスター・ウィルソン」はふたりの愛犬で、赤ちゃんが生まれたことで自動的にお兄ちゃんになったというわけ。ははは。スパニエルは愛情豊かな犬種だから、きっとそのうち赤ちゃんのいい遊び相手になってくれるのでは。
さらに余談ですが、今回のエントリのタイトルを自分で書いてて「70年代ぐらいに流行った『頭の体操』本のクイズみたいだな」と思いました。ほら、こういうクイズです。
「ある外科医のもとに、事故で意識不明の重体になった父子が担ぎ込まれた。子供の顔を見て、外科医はショックを受けた。自分の息子だったのだ。――さて、この子供と外科医の関係は?」
70年代ぐらいだとまだ「外科医と言えば男」と思い込んでいる人が多かったため、この手のクイズで「母子」という答えが思い浮かばずにフリーズしてしまう人が多かったんですよ。フリーズしないにしても、「ええと……この(男性)外科医は昔、離婚していて、元妻が再婚したからこの子に新しいお父さんができて……」とか、「この(男性)外科医は、その子のお母さんの不倫相手で……」のように、何が何でも外科医が男だということを前提とした愛憎劇しか思いつけない人が多くて、そういう固定観念を思考パズルでほぐしましょうというのが多湖輝さんの「頭の体操」シリーズのコンセプトだったんですよね。でも思うんだけど、この21世紀の今でも、特に日本だと、デイヴィッド氏の出産のニュースを見てフリーズする人は少なからずいるんじゃないでしょうか。ほら、「何、出産? 女が党首? 亭主は何をやってるんだ?」→「女性パートナー?」→「どうして男がいないのに出産?????」みたいな経路で。
英国では2009年4月にヒト受精および胚研究法(Human Fertilisation and Embryology Act )が改正されて以来、女性同士のカップルのひとりがドナーから精子の提供を受けて子をもうけた場合、カップルのふたりとも子の法的な親として出生証明書に名前が載せられるようになっています。また条件を満たせば、異性カップルと同じく、NHS(国民保険サービス)から体外受精(IVF)のための資金援助を受けることも可能です。そして体外受精以外でも同性カップルが子を持つ経路はいろいろあり、NHSがWebサイトで説明しているぐらいです。こういう事実を知って、固定観念を捨てる人が少しでも増えてくれるといいんだけど。