ウクライナで警察がゲイバーを急襲し、気温5度の中窓を開けっぱなしにして客らを3時間床に伏せさせたそうです。警官らは同性愛差別的な罵り言葉を叫んだり、客のひとりにけがをさせたり、携帯電話やノートパソコンなどを没収したりしたとのこと。
詳細は以下。
2019年4月20日午前1時、警察はウクライナ東部の都市ドニプロ(旧名ドニエプロペトロフスク)にある「Potemkin」というバーを急襲。地元アクティヴィストは、店には25人から30人ほどの警官がやってきて、次にようなことをしたと述べています。
- 外気温5℃で窓を開けたまま30人の客を丸3時間床に伏せさせた
- ホモフォビックな中傷やジョークを叫んでいた
- ひとりの男性にけがをさせた
- 外国出身の客ふたりに強制的にウクライナ国家を歌わせた
バーの持ち主と何人かの客は「警察の不法行為」について通報したんだそうですが、警察の言い分では、この強制捜査は売春と「売春宿の経営」容疑に基づくものだとのこと。なお地元LGBTQ団体の“Nash Mir”は、警察はノートパソコン、携帯電話、コンドームなどを店から持ち去ったのに、そのうちいくつかはなぜか押収品のリストに入っていないと言っているそうです。
強制捜査の様子をおさめた動画はこちら。
このニュースを読んで反射的に思ったのはまず、「50年代の米国かよ!」ということでした。でもこれって、別に50年代の米国だけじゃなく、いつでもどこでも起こり得る(そして実際起こってきた)ことなんだと思います。ロシアじゃゲイパレードのたびに警察がゲイを痛めつけてるし、アルゼンチンではつい先月、警官6人がゲイカップルをショットガンで脅して暴力をふるうという事件が起こったばかりです。上海でも2011年、警察がゲイバーに踏み込んで一気に約70人を拘禁し、寒さの中水も食べ物も与えず「犬のように閉じ込めた」と言われています。カメルーンでも2016年にあったよね、こういう強制捜査。官憲が守るのは人間ではなく「秩序」で、秩序とは何であるかはパワーを持ってる人たちが恣意的に決められるものだから、弱いものは大抵踏まれてばっかりだよ。それでも大昔よりはましではあるんだろうけど、いつになったらなくなるんだろうこういう事件。