石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

バーで殴られトランス男性骨折 スペイン・アラゴン州

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2019年5月29日、スペインのアラゴン州サラゴサのバーに入ろうとしたトランス男性とトランス女性のカップルが暴力をふるわれ、トランス男性が骨折などのけがを負いました。

詳細は以下。

www.dosmanzanas.com

トランス男性のエリック・ガルシア(Erik García)さんと連れのトランス女性は、当日午前3時過ぎ、タバコを買うためにバーに入ろうとしていました。すると、店内にはまだ客がいたにもかかわらず、店の男性から「もう閉店だ」と言われたのだそうです。目撃者によると、この男性はふたりが店から出るときに半分閉まっていたブラインドに体が当たったのを見とがめ、外までおいかけてきて「うちの店じゃクソ釜と服装倒錯者の男娼はお断りだ( «en mi bar no van a entrar maricones de mierda ni putos travestis»)」などと言って罵倒したとのこと。男はさらにトランス女性の身体をつかみ、引き離そうとしたガルシアさんの顔面を殴り、ガルシアさんを地面に投げ倒して拳で殴り続けたのだそうです。

この暴行により、ガルシアさんは眼窩に血腫ができ、7本もの歯に骨折線が入ったとのこと。写真はこちら。

ガルシアさんの連れのトランス女性の方も、不安のため服薬を余儀なくされたそうです。

なおガルシアさんはアラゴン州の非営利団体ビシオン・トランス(Visión TransM)の会長で、事件の少し前(5月17日)、アンダルシアのトランス団体la Asociación de Transexuales de Andalucía Sylvia Riveraから、活動の功績をたたえる賞を授与されたばかりだったとのこと。

このところ日本の一部のTwitterユーザの間では「シスジェンダーの人々のいる場からトランスジェンダーの人々を排除しないと、『シスジェンダーの人々が』危険にさらされる(かもしれない)」という想像が流行っているようですが、現実世界で見聞きするのは、こういう「トランスジェンダーの人々を排除しようとするシスジェンダーの人々によって、『トランスジェンダーの人々が』危険な目に遭わされた(想像ではなく本当に)」という事件ばっかり。シスがシスだけで考えた炬燵兵法なんて、屁の役にも立たんわ。