石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

『ザ・シンプソンズ』S30にゲイなエピソード登場

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米国のTVアニメ『ザ・シンプソンズ』のシーズン30に、一家のおじいちゃんエイブ・シンプソンの過去のゲイ・エピソードが登場しました。いや、エイブはストレートのままなんだけど、過去にいろいろあったって話。

詳細は以下。

elclosetlgbt.com

このゲイ・エピソードが描かれるのは、米国本国では2019年1月6日に放送された"Mad About the Toy"という回。地下室にしまいこまれていたGI人形を見たエイブ(エイブラハム)おじいちゃんがパニック発作を起こしたことが発端で、おじいちゃん自身も忘れていた過去が明らかにされていきます。

実はエイブは軍人時代、その人形のモデルをつとめていたんでした。彼はそのとき、製作現場でエイブの写真を撮っていた親友のカメラマン・フィリップからキスをされ、パニックを起こして逃げ出していたんです。これで周囲にゲイだとバレたフィリップは失業し、おもちゃ会社との契約書にサインをしていなかったふたりは、莫大なロイヤルティー料をふいにすることになりました。

フィリップに謝ろうと考えたエイブは、家族ともどもはるばる旅をして彼の行方を探します。そこで見つけたのは、エイブをモチーフとしたアートが大量に飾られたフィリップのスタジオ。フィリップはあれから本当の姿で生きると決意して、アーティストとして充実した人生を送っていたのでした。ふたりは見つめ合い、今度はエイブの方からフィリップの唇にキスします。画像は以下をどうぞ。

そうは言ってもエイブは今も昔も異性愛者で、彼はフィリップにもそう告げて帰宅します。でも、帰宅後ベッドで眠る彼の枕元には、現在のエイブとフィリップがふたりで写っている写真が大切に飾られているんでした。つまり、性的指向は違っていてもふたりの間にはcariño(相手を大切に思う情愛)があって、謝罪も済んで、また仲良しになったんだよというオチなわけです。

『ザ・シンプソンズ』には以前からLGBTテーマのエピソードがたくさんあるんですが、この話のことは全然知りませんでした。昔のおじいちゃんが結構ひどいことを言っていたり、さりげなくレズビアンネタが入れられていたりして面白いんですが、意外とアンチゲイ団体の「ワン・ミリオン・マム」とかには騒がれてないんですよね。スペイン語圏のニュースを読んでなかったら見逃すとこだったぜ(『ザ・シンプソンズ』はスペイン語圏では"Los Simpsons"の名前で放送されていて、けっこう人気みたいです)。