Journal of Epidemiology and Community Healthで発表された研究で、平等な結婚の合法化およびその他のLGBTQ+政策は、総じて社会の自殺を減らすのに役立つということが示されました。
詳細は以下。
これはスウェーデン(1995年に登録パートナーシップ制度、2009年に同性婚を認めた国)とデンマーク(1989年に登録パートナーシップ制度、2012年に同性婚を認めた国)の同性愛者の自殺率について調べた研究で、それによるとこれらの国の同性カップルの2003年~2016年の自殺率は、1989年~2002年のそれに比べ、46%も下がっていたとのこと。
ちょっと調べたんですが、論文はこちらですね。
論文の筆頭著者で、デンマーク自殺予防研究所(Danish Research Institute for Suicide Prevention)所属のAnnette Erlangsen氏は、同性カップルの自殺率が減少した理由として、結婚している状態が自殺に対して防御的なはたらきを持つこと、同性婚法制化やその他の支援的な立法が性的マイノリティのスティグマを軽減している可能性があることなどを指摘しているそうです。
El Closet LGBTも言及されていますが、米国の調査でも同じような結果が報告されていましたよね。米国で同性婚を認めた35州と認めていなかった12州のデータを比較したところ、同性婚を認めた州ではティーンの自殺企図が7%(性的少数者のティーンでは14%)減少していたんです。つまり同性婚に関する政策は青少年の自殺企図の減少に関係があるのだと、その研究ではまとめられていました。詳しくは以下を。
最近日本でもようやく同性婚が話題になり始めているようですが、反対派の方々のお気に入りの主張のひとつは「同性婚を認めると人口が減る」であるようです。しかし少なくとも自分の知る限り、同性婚を導入した国で、実際にそれが原因で人口が減ったとする調査結果はこれまで一度も目にしたことがありません。おっかしいねー、それこそ世界中のアンチゲイな人々がやっきになってそういうデータを探していそうなもんなのにねー。一方、同性婚法制化によってこれまで自殺に追い込まれていた人が死なずに済むようになる、つまりそれだけ人間の頭数が減らされずに済むようになるということを示唆する研究報告はこうやって複数出てきているんだけど、反対派の皆様の目ん玉はどこについているのでしょうか。結局のところ、本当は人口にも事実にも関心なんてないんでしょ?