石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

鉤十字ネックレスのホモフォーブ、生卵をぶつけられる

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米国ニューヨーク・シティーのユニオンスクエアで、鉤十字のネックレスを身に着けて同性愛嫌悪的な発言をしていた男性が生卵をぶつけられました。

詳細は以下。

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動画はこちら。

この男性はJovanni Valle (通称 Jovi Val)という有名な極右活動家。ユニオンスクエアで「同性愛は体内の化学的不均衡によって起こるもので、子供に有害だ。子供が本当の自分がわからずに、精神的な病気になってしまうからだ」などと主張していたため、怒った人に生卵をぶつけられたんだそうです。

なお、Valle氏の唱えた「同性愛は体内の化学的不均衡によって起こる」説というのは、1917年にシュタイナッハの唱えた*1「異性愛者のきんたまを同性愛者に移植すれば同性愛が治る説」や、第二次世界大戦中にヴァーネットがナチスの強制収容所での人体実験で立証しようとした*2「男性ホルモンを放出するカプセルを体内に埋め込めば同性愛が治る説」とほぼ同根のものであるように思われます。シュタイナッハは手術を受けた人から「効果がなかった」と暴露された*3そうだし、ヴァーネットの方も「人を異性愛者にするどころか、人の命と尊厳を奪うだけの結果に*4」終わったそうなんですけどね。そしてその後、この2019年になるまで、同性愛と「体内の化学的不均衡」とやらの間に関係があるなんてことを立証し得た科学者はひとりもいません。前世紀のナチス御用達の大嘘を振り回して憎悪扇動とは、さすがに首からスワスティカ下げてる人のやることは違うねえ。

そうは言っても人に生卵をぶつけるのはよくないことだし、ぶつけた人が警察に訴追されたり厳重注意されたりしたとしても、それは仕方がないとも思います。ただ、こういうのを放っておくと、それこそロンドン釘爆弾事件みたいなことがまた起こりかねませんからね。4インチネイルをぶっ刺されて殺されないために生卵で反撃しておくっていうのは、ずいぶん穏便な方法なんじゃないかとあたしゃ思いますね。

*1:Makimura, A.(2016) .『同性愛は「病気」なの? 僕たちを振り分けた世界の「同性愛診断法」クロニクル』.(p. 59). Tokyo: Seikaisya.

*2:Makimura, A.(2016) .『同性愛は「病気」なの? 僕たちを振り分けた世界の「同性愛診断法」クロニクル』.(p. 95). Tokyo: Seikaisya.

*3:Makimura, A.(2016) .『同性愛は「病気」なの? 僕たちを振り分けた世界の「同性愛診断法」クロニクル』.(p. 62). Tokyo: Seikaisya.

*4:Makimura, A.(2016) .『同性愛は「病気」なの? 僕たちを振り分けた世界の「同性愛診断法」クロニクル』.(p. 95). Tokyo: Seikaisya.